第30章 彼と共に彼を待つ
『……浮気しないってば。ねー?』
ベッドの上のサトールが見上げてるので片手で持ち上げて膝の上に置く。のそ…とちょっと体勢を変えて膝の上でちょこんと足を開き座ってる小さな彼は、首を少し上げてこちらを見て携帯を凝視してる。
……文字分かんのかな。
覗き込まれながら悟に『イチャイチャは傑さんとはしません。悟がちゃんと任務を終わらせて帰ってきたらね~』と送って。膝の上の彼をひょい、と持ち上げてカシャ、と一枚自撮りをする。『それまではこのサトール君とイチャイチャしてます』と送ってやった。
さて、出掛けるならさっさと着替えようっと。
ベッドの上にサトールを一度リリースし、外行きの服に着替える為に制服を脱いでいると通知音がうるさい。悟のメッセージが連続して送られてるな?
『はいはい、充電無くなるでしょ…、』
……急いで画面を確認してみれば。
"僕型の呪骸のクセに生意気だろ!なにイチャイチャしてんの!?"
"呪骸ともイチャイチャ禁止!やだ!いくら僕の形しててもダメだからね!?腹立つわー"
なーにをほざきよる。そういう我儘チャンにはこれでも喰らえ!……と、上半身は着替え中でインナーだけど、ベッド上でフリーダムに跳ねてるサトールを掴み、自撮りでサトールの頬にキスしてるのを送りつけ、そのまま着替えを続ける。
沈黙、からの怒涛の通知音。充電が切れるわってくらいに通知音がしてて無視しつつその中で着替え終えた。
傑が部屋に来るまでの間待ちながらにあまり無視するのも可哀想かなって携帯を確認する。
『……うーわ、』
"ギャーーーー!!!!"
"それ僕の配置じゃん!なんで綿詰め如きがチュウされてんのっ!?"
"ハルカの浮気者!僕という天才最強特級呪術師で教師かつ御三家の現当主たるスパダリを差し置いて頭でっかちの綿詰め野郎と浮気とかサイテー!"
"なんでソイツにはそんなに積極的になってんの!本物の僕にも積極的になってよ!どうして!どうして!どうして!"
"毛も生えていないズラ野郎なのに!"
"ちんこもついてないのに!!!!"
『暇なんだねー……すっごい吠えるじゃん』
「ヌー…」