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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第29章 赤い糸で繋がっているもの


『……それじゃあ、』

見上げた視線の先の悟はにこにこと笑っていた。

「大好きな奥さんが居るのに、他の女の子となんて遊ばないさ。なのに……
もー、ふたりとも勘違いしてさー!ドイヒー!なーんで僕の事信用してくれないワケぇ?毎日ハルカに愛を注いでるじゃん!えっもしかしてあれじゃ足りないの?」

忙しい中でも悟のスキンシップは欠かさなかった。出掛ける際に置きてたら行ってきます、のキスを。朝早くで眠ってる時は物音をあまり立てずに静かに。
帰ってきた時はただいまのキスを。しっかりと抱きつき、食卓を可能な限り共にして一緒にお風呂に入ったり、寝るまでの間を話をしたり遊んだりして、えっちをして眠る。

私にとっては充分なスキンシップ。彼からの愛情。この重苦しい愛情を他の人に向けるかというと、どうなんだろう……。
顔とかで寄ってきた女性が、悟の残念な性格を持て余す可能性。いつも彼の側に居る私は理解してる。悟の中身は実に面倒くさいって事。

下唇をにゅっ、と出して拗ねてるアピールをしてる年上の男をじっと見た。信用出来るか、ねえ…?信用はしてるっちゃあしてるけれどさ、疑いたくもなるのが五条悟って男なんだもん。

『……日頃の行いのせいじゃない?』
「なんでそうなんの??」

信じられないと言いたそうな目元は三度ほど連続的に瞬きすぐに笑顔へと変わる。また泣きそうだった私も釣られて笑った、悟が浮気してた!っていうの、私達の勘違いだったんだ……って。

力が抜ける、そんな私を悟は「おっと、」と両腕でしっかりと抱きしめ、支えた。

『勘違いしてごめんなさい、私の早とちりだった。悟の事はドクズからただのクズ…、うん。クズに訂正しときます』
「え、なに硝子と打ち合わせしてる?」
『してねえよ?そんな時間ないでしょ…』

……なんの事だ?と思いつつ暖かい体温に身を委ねた。寒かったから、じわじわと悟の体温が伝わってきて嬉しい。
暖かくて、ほっとして、安心して、すっごく嬉しい…!

──そうだ、悟に今日の事を、大切なあの事を言わないと!

すぐにでも言わなきゃいけないのだけれど。
もう少しだけこう抱かれていたいとひとときの背後のぬくもりを感じながら『悟、』と声を掛けると返ってくるのはやたらと甘い声での「なぁに?」という彼の声。部屋でイチャイチャする時によく聞く甘えた声を既にここで出してる悟。
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