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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第29章 赤い糸で繋がっているもの


片手だけで体を拘束され、悟はもう片手で私の顎に手を触れて無理矢理上向きにすると上から顔を覗き込む。真剣な顔した悟と強制的に目が合った。
サングラスの上部から覗く青い瞳。空は夜へと変わり始める中で見上げた、吸い込まれそうなふたつの空。私が被ってたフードは上を向いた事でぱさ、と外れ白髪の多い地毛が外気に晒されてる。
強制的に目を合わせた状態で悟は少しだけ安心したような笑みを浮かべていた。

「……あれ、浮気じゃない。任務だから」

『……あ゙?この期に及んで言い訳?』

「まだ疑ってんねー…。
ホテル関係って呪いが集まりやすいって呪術の授業でしたろ?少し前にハルカも居る状態でさあ、悠仁と組ませて僕も着いてって。廃ビル…、ラブホで任務だってした。割と最近だし覚えてない?普通に営業中のホテルにだって呪いは発生すんの!」

……そう言われれば、任務で廃ビルだって聞いて行ってみたらラブホの跡地だった事があった。
場所は分かったとして女の子についてはどうなんだ?と見上げた彼を睨むと私の言いたいことが分かったのか悟は目を細めて「ククッ、」と喉で笑う。
この間、悟に近いせいか宙に舞い降りた雪が固定したみたいに止まってる。見上げながらも私の顔に冷たい雪は張り付かなかった。

「呪霊による生得領域が出来ててさ、僕が任務に入った時には既に数名犠牲者が出てて……もちろん、無傷の非術師もいたけれどね?オマエが見た女の子は呪いに当てられ目をやられてた。なる早で対処しないと後遺症が残るやつだ。そのまま高専に救援や処理の連絡はしたけど近くにオマエと硝子の気配を感じてね、すぐに治せるからと肩を貸してあげてたの。

そしたらオマエはどっかにすっ飛んでくし、硝子には散々ディスられるし。良く分かんないけど硝子にあの女の子を預けてさ~…こうしてハルカを探しに来たんだけど……」

だんだんと困惑してきた表情の悟は最後にふっ、と笑って。

「探しにっていうか、見守ってたの方が正しいのかな?これは。最近疲れてたようだし息抜きして楽しんでたのに、随分としょんぼり沈殿丸してるから、声かけちゃったワケよ~、まっ、困ってるお姫様を迎えに来た王子様こと五条悟の参上!……って言いたかったった所、浮気と勘違いされててさとるんめっちゃカナピーなあ……

そういうワケなんだけど、ご理解されたでしょうか?僕の奥さん?」
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