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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第29章 赤い糸で繋がっているもの


上下は教師として、また任務時に着用してるもの。ただ、冬だから私がクリスマスプレゼントとしてあげたマフラーをしっかりと首に巻いてた。私も刺繍してる時にふわふわしててこれは暖かいなって感じてたからその暖かさは保証する。気に入ってくれてるのは嬉しかった、けれど今は他の女を抱いた後、その女の人に腕を回されたであろう首を私があげた物が覆ってるとか、虚しくなる、見たくない。棄てて欲しいとさえ思う。

一瞬だけ見た彼から視線を反らしてしゃがんだままの悟を残し、見知らぬ街を少し早足で進んだ。行く先なんて決まってない、ただ彼から離れるために。
すぐに後ろからコッコッコッ、という速足の靴音が追ってくる。立ち上がって追ってきてる悟。

「待てよ、別にあの子と信用作ってるとかそういうんじゃなくて、僕は今、ハルカとの信用の話してんのっ!」
『ふーん、あっそ。あの子との信用の為に私との痕跡ちゃんと隠さないとバレた時に信用無くすよー…そのマフラー、捨てても良いから。明らかに女の子からの贈り物って分かるもんだしさ。じゃあ、』

そう言って追う彼から別れようとした。
でも、私の悟から離れようとした行為は叶わなかった。

「……じゃあ、じゃねえだろ…っ!」

がし、と背後から強めに掴まれた肩。そしてすぐにその力を弱められて「……ごめん」という言葉を聞いて。
ほら、謝るような事をしてたんじゃん。真っ黒じゃん……この人は浮気をしてたんだ…。じわじわと悔しくて泣きそうになって。

「……意地悪した。本当の事言うと、さっきのはからかってた」
『からかって……?女の子と肉体関係を持った事についてのごめん、じゃないんだ?』
「だから……っ!」

ぐい、と肩を引かれてよろめく体。バランスを崩したまま背後から悟にしっかりと受け止められたけれども、この人は今、こうして私を抱きしめる前に女の子を抱きしめたんだって思ったら触られたくなくて。

『触んな……っ!変態!』

もがき、暴れてこの拘束から逃げたくて抵抗するも悟は「ぜってえ離さねえ…っ!」と私の体をきつく抱きしめる。
暴れながらも頭上から言葉が降り注いで来た。

「聞いて、ハルカっ」
『聞きたくない、どうせ言い訳でしょ!?悟に都合の良い、浮気の理由なんて──…、』
「いいから、黙って聞け!」
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