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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第29章 赤い糸で繋がっているもの


ジャアア……ゴポポ…、

……水が流れる音。汚水は新しい水に切り替わっていくトイレの中。
便座の蓋の座り数分待った。待ちながら結果が出る様子をハラハラしながら眺めてた。使用例のように現れている線。これがただあの事故もない状態ならばありがたくて部屋で叫びでもしながら、嬉しさのあまりすぐに悟に連絡をしてた。そして悟がきっと任務を切り上げてすっとんで帰ってきて、やったね!って抱き合ってたに違いない。
けれども今は焦りを感じる。

『ど………しよ…、』

泣きそうなんだけど。困惑というか、頭の中がこんがらがってわけがわかんない。
出血したわけでもなく、また"罰祟り"で致命傷レベルを再現したわけでもなく。血が体がら消えたみたいな感覚とあまり冷静になれない頭。

どうしよう、本当に…!いや、こういうのって間違った結果の時もあるかもしれない!
これだけ不良品なのかも…!でもこれ以上、出るものは出ないし。だからって放置したら最悪の場合、お腹が膨らんできて取り返しのつかない事になる……。

陽性と結果を出してる物を急いで隠し、パッケージをコンロで燃やす。燃えていく様子を見ながら私は携帯で硝子の携帯へと電話を掛けた。

……次の休み、悟は任務で潰れるって嘆いてたっけ。
その日にちゃんとした所で調べて貰おう。私ひとりで行動が出来ないのなら硝子と行くのがベストであると判断した。野薔薇とか生徒と産婦人科に行くのは駄目だ。
ドキドキと嫌な鼓動が鳴ってる。マフラーの時もあるから顔とか態度に出ないか心配……この不安を隠しきれるものなのか分からない、けど悟にこれをバレたくない。分かる前に早くなんとかしなくちゃ……。

正直言って怖い。もしも遅れてないっていう結果だったら…。あんなにも希望して、何度も期待をしながら回数を重ねていたのに、もう死んでいないアイツらの血が残されるという結果だったら。どうして、どうして。
……早く電話に出て、硝子さん。お願いだから…っ。

硝子に対してのコール音が続く、三度、四度。
ぷつ、と小さな音と共に小さな吐息を拾うマイク。

"ハルカか?何かあった?"
『硝子さん!』

……出た!と少し安心して僅かに気持ちが楽になって、そのままに硝子に報告と相談をしないと、と気持ちを切り替え、一度深く呼吸を整えて。
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