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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第29章 赤い糸で繋がっているもの


……可能性はゼロではない。だってあのカワグチ組の男達がいくら避妊具を使ったからといっても扱いは悟ほど丁寧ではなかった。
数度に渡ってゴムの中に精液は吐き出してはいた、けれど外す時にもう一度、と新しいものに変える際、乱暴にはずした時に裏返り、飛び散った中身。生身のモノを素手で扱いてもいたような気もする……。
それらで汚れた手で新しいものに付け替えては欲望のまま急ぐように行為を再開してた。その外側…、私の中に入る箇所に精液が、悟以外の人間の精子が着いてたとしたら。

……私の口に生の状態で出したり、口内に指を突っ込んだりもしてた。その手が下へ、膣の中へと突っ込まれた事だって……そういうので?
信じられない、と最悪の結末を想定して私自身のお腹に手を当てた。

嫌になるくらいに、不幸が畳み掛けてるんだ。この生理の遅れがただのストレスで遅れてるならいいとして。悟との間に出来たというなら幸運。
けれども、そのまさかの事態で、彼の血を引かない事故での行為で受精したものだとしたら……。

──妊娠していた、としたら。

『……っ』

嫌だ…、そんなのは嫌。
とにかく、ただ遅れているだけだと思いたかった。最後にいつ生理が来たかも忘れてる。薬を飲まなくなり、また体調が整わない時期(寝たきり)やストレスもあったしさ。いつだっけ?ええと、正確には分からないけど、目覚めて暫くしてからだったような。

昔は定期的に記録を着けていた。それは今はつけなくなってアンインストールまでしてる。悟との間に子供を希望してるからこそ気にしなくなったからだ…!これがもしも、避妊希望じゃなくて妊娠希望とかにしてたらまだもう少し不安は拭えたかもしれないけれど、今はもう取り返しがつかない。データはもう携帯に無い。

はっ、として立ち上がる。急いで掃除用具をしまって。

『た、しか……こういうのって分かる薬?があった、はず……一度も使った事ないけど、それで調べれば…!』

どこだっけ、悟が買ってたはず……!
慌てて戸棚に向かいサプリメントや湿布などが詰まった棚の奥に重なるふたつほどの長細いパッケージ。そのひとつを手に取り急いで開けた。
検査薬、というけれどコレ、どう使うんだ…?と使用方法を見ながらそれを持ってトイレへと駆け込む。ただ生理が遅れてるだけ、遅れてるだけ……!
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