第28章 想定外
『怖くないよ?悟だから、悟としか私はしたくない』
むにむにと愛撫する手がぴたりと止まった。
目の前の悟が照れ笑いするものだから、釣られて笑っちゃった。いつもよりも子供っぽい笑みで年上で容姿の良い彼が可愛いとさえ思えて。
「嬉しいなあ。ハルカにそんなに愛されてたなんて」
『……私は充分に悟の事、愛してるけど…』
悟ほど過剰なスキンシップはしないけれどさ?私だって彼の事が大好きなんだ。ふたりきりの時はいっぱい愛し合いたいって思うけど、悟の攻め方で隠されてるだけで。
照れ笑いしながらも悟は歯を見せてにかっと笑う。
「恥ずかしがり屋さんの割に僕の事、好き過ぎるとは思ってたけど。想定以上に愛されてて興奮してる」
ぐっ、と少しだけ腰を押し付けて、もっと中に来て欲しくて。焦らす悟を見上げていれば、はははっ!と楽しそうに笑ってる悟。
「愛してるよ、」と耳元で囁かれて優しくも激しいキスをした。
『…んっ、悟…ぅ』
「ふっ……もう、すぐにでも挿入出来ちゃうくらいに濡れ濡れだね?
甘えた目で僕を見て、可愛いねえ、ハルカ……」
好きでたまらない、触れられた所が全て気持ちいい……もっともっと悟に触れて欲しい。
丁寧に触れ続けられるのもぞくぞくとして気持ち良いし、キスでも満たされる、けどその先が欲しい。
もっと。もっと。
『さとる…っ、欲しい、』
「あらら、もう欲しくなっちゃった?」
甘い声でそう聞かれて、寸止めのその腰をする…、と撫でる。
『んっ、ほしい、挿れて……っ』
「ククッ…、了解。いつもよりも欲張りさんだね…?」
待ち侘びた時が来た。覆い被さりながら腰を押し込めるように私の中へと入ってくる。
触れていた場所からゆっくりと中に入ってきて、そして奥へと進むごとにもっと満たされていく感覚。死んだ彼らとは根本的に違う、ただの支配と欲だけの行為ではない。
悟のとても深い愛情を感じ、完全に満たされて私も悟もゆっくりとしたペースのセックスで彼が出す回数を上回り私は何度も達した。
悟が私の中で達したのは一回だけじゃない。一回じゃ物足りない。二回、三回と疲れていたのに止められない。辛かった思いをしたハズなのにそれをトリガーにケダモノみたいにもっと、が止まらない。
悟は呆れつつ、それでも笑いながらに「いいよ」と付き合ってくれる。