第28章 想定外
270.激裏
部屋に帰る頃には悟の悟君(下半身)もようやく落ち着きを取り戻し、寮でお風呂を洗い、お湯を溜めて入り、浴室内で歯磨きもして。
やっと彼以外の痕跡を洗い流せて綺麗サッパリになれた。
死んでもなお残る、あの二人分の気持ち悪さが消えた所で、一緒に寮の部屋で冷凍庫やら戸棚などから引っ張り出したものを使って、不幸なんて無かったみたいに一緒になってグラタンを作って悟とふたり、向かい合って食事をして。
……せっかく買ったさつまいもはどこかに落としちゃったみたい。それは残念、明日買い物に行ったとして焼き芋が売ってたら今度こそ買って食べよう、無かったら作ろうって話を悟とした。
(まぁた失礼な事も言ってたからちょっと絞め技をかまして)
まだ学生は休みの中。
明日を楽しみにしながらにのんびりとお茶を飲み、すぐにでも眠れるようにって洗濯の予約など明日の準備をして……さあ、寝るぞ!とベッドに入って。
「おやすみー」
『おやすみー…ってまって?』
悟の腕枕で寝そうになりかけた所、くわっ!と眠かったはずの目を開けた。確かに疲れてたし眠かったけど!まだ寝るんじゃないんだったわ!
お互いにベッドに潜り込んだ所でもぞもぞと悟にひっつく。彼もまたベッドに入ったのは良いけれど私の待って、を聞いてか目を開けてじっと私を見ていた。
「したいって言ったけどさ、今のハルカ、すごーく眠そうだし色々あって疲れていそうで僕、えっちするの躊躇っちゃうけど。それでもする?」
その質問には拒否なんてない。首をうんうん頷いて。眠いよ?疲れてるよ?けども。上書きをして貰わないと明日を迎えたくない。きっと夢の中でもっと酷いレイプをされる。なら、優しい悟の手で触れられて、乱暴な突きよりも愛のある、私を良く知ったイイ所をトントンして欲しい。
『したい。無理してないから、私。一回だけでもいいから、ね?今日は悟にいっぱい愛して欲しいの』
最悪、悟が眠いっていうなら、上に跨るからさ!
寝てる間に勃つのかは私には分からないけれど…。
薄明かりが差し込む、暖房がかなり抑えられて少し寒くなった部屋の中。その薄明かりに照らされた悟にもう一度『ね?』とおねだりすれば悟はもぞ、と片手で自身の顔を隠してる。
「ン゙ン゙ッ、もっ……そういうの、卑怯でしょ、そういうえっちな誘い方駄目だよぉ~…断れなくなるじゃん…」