第28章 想定外
『悟が嫌なら、しょうがないよね……』
「ちがう……違うよ、ハルカ」
首をぷるぷる振る彼は今にも泣きそうな表情をしていて何を言い出すのかと思えば、私の両肩に手をタンッ!と強く置き声を上げた。そして…。
「~~っ、なんでそうやって公然で煽るのっ!そう誘われたらするに決まってんでしょ!ヤります!出します!あなたと合体したい!」
がばっ、と抱きつく悟。傑の前で頬擦りをぐりぐりしながらに、変にカクカクと腰をこすりつけてる。速攻で勃ったようでそのとんでもない発情期の犬のような行動に傑が引いてた。ここまで引いてる傑は私は見たことなかったんだけど顎ん所引き過ぎて梅干しの種みたいにすっごい事になってんですけど…?今まで空気を読んでずっと黙ってた傑だけどこれには流石にコメントもする。
「急なアクエリオンやめてくれないかな、悟。あと腰。マウンティングじゃなくて完全に痴漢のソレだろ……」
「僕のソーセージのアクエリオンがハルカとドッキングしたくてうずうずしてるから傑報告してきてっ!じゃないと勃ったまま行くようになっちゃう!イッてないのに行くなんてヤダ!」
「全然上手い事言えてないよ?」
ぐりぐりと頬擦りしながらゆっくりと腰を擦り付けてる悟を今度は虫でも見るかのような表情で見下ろす傑。そんな厳しい視線を私へと移せば心配そうな表情をしている。
「君、本当に悟で大丈夫かい?体保つ?」
『あ、ははは…ウン、今の所は……』
今の所ってか、保たない時もあるけれど。
少しだけ盛って受け入れられてますよ、と伝えたのに余計な事を言うのがこの張り付いてる五条悟という男。私の耳元で近くに居る傑に叫ぶように話す。
「傑、そう言って僕のハルカを狙ってる?私ならクレバーに抱いてあげるよ、とか言うんじゃないよねー?」
「なにも親友の伴侶を寝取る事はしないさ。それより寒いし報告に行かないといけないだろ?」
確かに皆疲れてるし、早く解散したい。
傑は学長室の方向を指差してる。早く報告に行こうって。私もそれには賛成なんですけど。
その私にぎゅうう、とより強くしっかりしがみついて頬ずりするのは彼。
「やー!」
「やー、じゃないよ、私も知らない所でヒサカイを捕まえたんだから悟の報告は重要だろ。私じゃ任されきれない」