第28章 想定外
「……あ?まだ反抗するってか?…オイ、追加で頼んだモン持ってきたろ?」
黒髪が脱衣所の少し高い位置から籠を降ろす。
床にどさ、と置かれた籠の中身は生地が透けてる衣服ばかり。そこにひとつ箱のもの…ゴムが入ってる。悟が買うものとは違うメーカーだけれど明らかに薄さを強調するパッケージ。
まさか、と金髪の男を見るといやらしい手付きで揉むのから、先端を指先でこねくり回すようにしながら笑っていた。
「まだまだ反抗出来そうだなぁ?反抗出来ないように調教を兼ねて、ちゃんと旦那らを満足させられるかの味見といくか。
オオウチ、てめえも最低でも一発はしとけ、バレた時俺だけおやっさんに説教されんように共犯だ」
「えっ、味見なんて良いんスかね?」
「種蒔いちまったら売った先での遺伝子検査でバレる、そしたら俺ら殺されるだろ?ならゴムしときゃバレねえ。目の前には乳もケツも、これまたイイ肉付きの女が居るんだ、若干ガキ臭え顔だが穴の方はしっかり大人だろ?
まさかテメエ、許容範囲外だとかインポじゃあるめぇしヤれねえわけねえだろ?玉くれぇ付いてねえのかよ、オオウチ……あ゙?」
しん、とした中で頷く黒髪…オオウチと呼ばれた男。頷いた瞬間、オオウチはニタァ、と笑って部屋の空気が変わった気がした、その瞬間に私は金髪に頬を殴られて床にそのまま倒れ込んだ。
『ぐ、ぅ……っ、』
「とっとと済ませんぞ、」
ニチャア、と笑った二人の男はしゃがんで私に覆いかぶさるように……。
──それからはもう、何も考えたくない…。
ただふたりの男達が暴力を以って抵抗も出来ない拘束した女を虐げる。
セックスっていうものは、悟としかしてなかった。彼との行為は常に愛のある行為で満たされて、気持ち良いものなんだって感じてたけれどそんなものはこいつらには無く。
私はヤクザ達の商品だと言われながら、乱暴に自分達の欲のままに発散する道具として扱われた。欲望の捌け口、思いやりの欠如したやりたい放題の行為…。
どれくらいの時間、硬い床や壁に押し付けられてされたのか。
時折、口に入れられたモノが気持ち悪くて、思いっきり胃の中身が空になる程に吐いて、それを気に食わないと力いっぱい殴られ……口内を切って。
全身が乱暴に扱われたから痛くて、もう私は抵抗なんて出来なかった。ただただ、早く終われ、と祈りながら心の中でごめんなさい、と悟に謝って。