第28章 想定外
怒鳴りながらぐりぐりと力を込めて床に押し付けられて。
額の手が退けられてゴッ、という鈍い音と勢いに顔を横に反らす。
『……~~いっ、』
振り抜くように殴られた頬。男だからとか女だからとか関係なく打ち込んできた拳が当たった場所がじんじんと痛む。
チッ、と再び舌打ちをした金髪が倒れて呻いてる私からブラを剥ぎ、パンツを引き抜く。そして舐めるような視線が降ってきた。どこも隠すに隠せなくて奥歯を噛みしめるしか私には出来なくて。
……見下す男はケタケタと笑っていた。
「おおー、予想外にイイ身体してるじゃねえか、買い付けた旦那共もこいつは大喜びだわ!」
思わず顔を反らした。私の側の男が今、どんな顔をしてるかなんて見なくても想像出来る…。
なんで、私、こんな目に遭わないといけないんだろ……。
目の前で衣擦れの音。男は片手で靴下を脱いでいた。
「おし、じゃあ旦那共が舐め回しても良いように、それからどっちの穴も使えるように俺がキレイキレイにしてやるよ!」
ゲラゲラと大声で笑う金髪。
二の腕を掴み持ち上げるように引き摺られる。いや、いやだってのに…!
『や、やだ、ぁ…!』
「ほぉら、恥ずかしがるんじゃねえよ~?嬉しいんだろ?見られて興奮しちまうかぁ~?へっへ……!」
抵抗なんて虚しいもんでむしろ悦ぶ金髪。私は脱衣所から浴室へと男に無理矢理に連れていかれた。