第27章 五条という家
腰を止めて、ぐり…と突き立てると「んぅ…っ」と苦しそうな声を漏らして彼は静かに腰を沈め、そのままにドクドクと私の奥で注ぎ込んでる。
注ぎ込まれながら離れないで欲しくて、寂しがりな彼にぎゅっと抱きつく。素肌同士の触れ合いが温かくてさらさらして気持ち良い。
彼も私をぎゅっと抱きしめる。中に居る悟が精液を吐き出し終わってもずっと中に居る。ひとつになったまま、それでももっと彼が欲しい。片手で悟の頭を撫でる。
悟の体重が一瞬かかり、少しだけ軽くなった。ベッドに額を当てて私に掛かる負担を減らしてた。
「ハルカ。僕をひとりにしないで。ハルカが僕と一緒に生きていた証を残してよ」
『……さとる、』
「僕の子を宿して。今すぐじゃなくて良い、けどキミが死んだら意味がないから、なるべく早くが良いんだ」
『……分かった、分かったから悟』
いつものような甘えるだとか性欲だとかじゃなくて、束縛のような、悲願のような言葉に彼の背を撫でた。私も死にたいわけじゃない。けど、仮本部を呪霊に攻められたように死というもの自体が私を追ってくる。
はっきり言ってこの調子じゃ老婆になれる程生きられるかも分からない。だからこうして生きてる間に彼との間に二、三人くらいはきっと残せるだろうし、その子らが居れば悟もひとりぼっちじゃないから大丈夫だと思うし…(十何人とか生むとかは正気に思えない)
……私も、次の命にバトンを渡せられたなら。
背に回した手を彼の肌を滑らせて、少し悲しそうな表情の悟の頬に触れる。
『さとる、』
「ん……なに?」
……私だってそういう努力をしなくちゃ。
頬をすりすりと撫でて笑った。
『もっと、したい。私はまだイッてないしさ?』
撫でた頬側の瞳を閉じて笑ってる悟。