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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第27章 五条という家


260.

身も心を引き締まる一泊の着物生活から来た時の着慣れた私服に着替え、悟の両親や五条家に使える人達に見送られて五条家の人達に手を振った。

意外とのんびりと出来たなあ、いろんな収穫もあったし。
彼の人生を映したアルバムは衝撃的だった。きっと、これから先に悟との間に生まれる子が育つとしたら、現在の悟ほどじゃないけど自由で子供らしく過ごさせて健やかに育てたいな……そう思う。
習い事だって押し付けるんじゃなく、やりたいのならばやらせてどうしても嫌だというなら逃げ道も作ってあげたいな。現在の悟が学生たちに青春を堪能しろと言うのは、年相応に楽しめる時に楽しめなかったからか。現在の彼はあまりにもフリーダムすぎて手に負えない。

……まあ、お腹に居ない未来の人生模様のパズルの一ピースについては今の時点で詳細な教育方針を決めても妄想にしかならないのだけれど。
車に乗り込む、今度は運転席に向かうのは私の方。私の運転で実家へと向かいながら、五条家で過ごした短い一日を思い出していた。

『しっかし悟んちのご飯、すっごい美味しかったなー!
あっ、ご飯だけじゃなくて家自体も慣れてくればリラックス出来たんだけどね?始めこそ私、借りてきた猫状態に緊張してビクビクしちゃってたけど。案外、皆もいい人達だし居心地もすっごい良かった!』

私にとっては第二の実家、的な落ち着きっぷりだったかも、だ。
悟の実家でもある五条家。彼は忙しいからか、それとも小学生頃の家柄故に押し付けられた時を過ごしたから避けてるのか。義務教育以降はあまり実家に長居はしてなかったみたいだったけど。
表情を伺うと少し安心したような顔をした悟が微笑んだ。巻いてたマフラーがズレていたのを自身で片手で巻き直しながら言う。もう片手は貰ったお歳暮の消費しきれない一部の食品(風呂敷に包んである)を膝に載せ、その上に手を乗せている。

「それは良かった。僕的にはすっげえ心配だったのよ、ハルカが僕の実家を気に食わなくてキングコングばりに大暴れしないかって」

『おやおやぁ~?悟、私の事バーサーカーだと思ってない?』

「……思ッテナイヨ?」
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