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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第27章 五条という家


『……』

御三家だとか、代々続くお家の者が歩む道なのかな。
茶道や生け花とかって私は触れてない習い事だからこそ言えるのだけれど。一度は触れてみたいだとかその程度の貧しい感想。実際は写真の彼の表情が物語る様に、こんな遊び盛りの子供に押し付けるものなんじゃないんだろうな、と感じた。

『……遊び盛りの子供には、自由に遊ばせたいよね』
「……うん、そうだね。すごく分かるよ、僕には自由が無かった。今でこそ呪術師としての束縛はあるけれどある程度の自由は効く。けれどもランドセル背負ってる子供時代ってのはさ、いや青春時代ってのはさ。自由であるべきなんだ」

説得力がある。見上げた彼に片手は重ねられてる。もう片手の自由な手を伸ばし、そんながんばり屋な彼の頭を私は黙ってただ撫でてあげた。

ぺら、と捲るページ。悟よりも少し年下であろう女の子と手を繋いでる。女の子は慎ましく、手を繋いでる悟は彼女から視線を反らし表情が不快そうに見える。
なんだろ、親戚かな?と顔を上げた瞬間だった。聞かずとも彼はこの子についてを教えてくれた。
視線はアルバムのそのページから増えだした、女の子を追うように。

「この子はね、僕の意志関係なく押し付けられた許嫁だよ。
高専でもやもやとした気持ち、ハルカに惚れた感情を術式で記憶を閉じ込められた頃にフッたの、好きでもないのに許嫁とか馬鹿みてえ、って!」
『えっ!?』

悟の言葉に驚けば唇を尖らせ文句モードになる。
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