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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第27章 五条という家


258.

神社から五条家に戻って来て、悟が昨日言っていたように忙しくなる事なくのんびりとした正月を過ごさせて貰ってる。
ただ、さっぱりとした内装の和室。多分、客間だと思う。悟の実家という割に彼の自室って雰囲気を感じられなかった。
彼に部屋見せてと声をかけた所、真顔になって首を振る。私は実家の部屋に通したんだけれど…。散らかっているか見せられないものでもあるんだろ、と察して『やっぱいいですわ』と止めといた。

客室にてふたり、お茶を飲みつつ座卓の上のお菓子をつまみ、暖かい部屋の中。座布団の上に座って和服姿の悟をじっと見る。彼は私の視線に気付き「ん?」と言って微笑み、蒼眼を瞬かせながら私を見つめ返してた。

『悟のさ、小さい頃のアルバムとかって無いの?あったら見てみたいんだけど』
「えー?……なんか恥ずかしいからやだ☆」

ウインクをしつつそんな恥ずかしそうな素振りも見せない彼。
そうはいっても私の過去の写真を接写でうちの馬鹿兄貴から見せてもらってる悟。一方的に私の過去の写真は見られてるってわけでして。
これは見たい。悟の幼少期がどんな姿だったのか、彼がこう成長した軌跡を写真で残されているのなら拝みたい。我儘言っておこう、見たい!って。

『えー?見たいなー!悟の写真見てみたーい!』

「もー!そんなに天使の姿を見たいワケぇ~?尊すぎて宗派作りかねないじゃん、オマエ」
『自己肯定力高すぎるのにもある意味困る天使だねー?』

首を傾げながら悟に言えば、彼も「ねー?」と分かってるんだか分かってないんだかの返事をして。分かってなさそうなんですけれどね??
物凄く機嫌の良さげな悟は「よっこらセックス!」と最低な掛け声で立ち上がり、ふすまに手を掛けた時に笑みを浮かべて振り返る。

「ちょっと待っててね、僕推しのキミの為にアイドルグループ所属の五条悟の写真集持ってくるから!」
『はいはい、アイドルから普通の呪術師に戻ってくださーい』

すっ、と静かにふすまから出て行った背中。見送ってから五分ともしないでドタドタという足音が近付いてくる。この人はどこにいても騒がしいな……。呆れつつ、はは、と笑い声が出たタイミングでふすまが開き数冊のアルバムらしき物を抱えて戻ってきた彼。

「持ってきたよー!いやあ、ちょっと中身確認したら懐かしくってさ~!」
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