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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第26章 だから師走というんです


賑やかに忘年会が始まって十分も経たずに遅れてやって来た傑。袈裟ではなく上下黒の私服でやって来た。開いてる席はいくつかあるけれど、彼は宴会場を見渡し、「お疲れ様!」とあちこちに声を掛けられては軽く頭を下げ、傑自身も「お疲れ様」と返事をしながらこっちへとやってくる。
空いている悟の隣の座席の座布団の上で立ち止まると、傑はふー…と疲れたように息を吐き、ゆっくりと座った。
そんな傑に片手を上げて元気百倍饅頭マン(今、自分の饅頭食ってた)の悟が労るように声を掛けてる。

「お疲れサマンサー!傑、今まで任務~?」
「ああ、うん。お疲れ……。任務帰りに渋滞に巻き込まれてしまってね。その後報告書を作って机に提出して、こっちに来るまでにまた渋滞に巻き込まれた」
「あはっ、今日の運勢最悪過ぎんだろー?信号も全部赤で足止め食らったんじゃね?で、オマエ何飲むー?」

煮魚をつつきつつ、悪いことは重なるよなあ、と非常に共感を得つつ。烏龍茶を片手に傑のグラスに注ぐ悟を横目に食事を摂る。

時々、補助監督生が傑の元に来て、少し減ったグラスに烏龍茶を注ぎに来ていた。伊地知も来てたのだけれど、悟にウザ絡みされて悟にもしぶしぶコーラを注いでいた。
私の所にも、京都で何度か治療をした事のある補助監督生が来たりして、「生きていて本当に良かったです」と彼は笑っていた。


****


さて、固形燃料も燃え尽き、ステーキも美味しく頂いた所で箸を置いて。目の前の物静かな冥冥のグラスに酒を注ぎ、近くのビールと硝子達側の日本酒をトレードする。居酒屋やバーも良いけれどこういうのも良いよね、なんて飲み屋に行くメンツでそんなやりとりをしてる間に、飲酒女性陣が多い私の席周辺で、ズッ友コンビな悟&傑はなにやら楽しそうに盛り上がってた。

がははと笑ったり、急に真剣な声色になって。何を話してるのやら……と、あまり耳に入れてなかったふたりの会話をふと意識して、右隣の傑を見る白髪の後頭部を見れば。

「で、すぐるぅ~…姫始めの反対は姫終わりで良いの?」
「姫納めだろ、冷静に考えてご覧よ、悟。仕事始めとか仕事納めとか言うだろ?だから私は一年の締めくくりのセックスは姫納めだと思う」
『ほんとロクな話してねえな、こいつら……』
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