第26章 だから師走というんです
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朝起きて。バスローブを寝間着にして抱き合って眠っていた事に気が付いて。イヴの夜は長かった…ほんっと長かった……。
思い出せば終わった事なのに、きゅんきゅんと下腹部が疼く。って馬鹿!あれほどしたんだから今はおかわりは要らないんだからっ!と首を横に振って、ベッドサイドの玩具を睨みつける。
チッ…!酷い目に遭った!……けど、すっごく、良かった。
いつもと違う部屋、いずれはこの部屋で日々を過ごす部屋のベッドでまだ眠たい瞳で彼の寝顔を見ている。気分的に悟の気持ちよさそうな寝顔を見てたら二度寝もしたくなるよね……。
プレゼントというにはどうかと思う、この部屋。これから先、一緒に住んでいく部屋ならばそれなりに話し合って、お金を出し合ったりしていくものだと思っていたのに、急にはい、家(部屋)!って言われましても。
そういう所だぞー、と眠る悟の頬を撫でると少し眉を寄せて、またすーすーと寝息を立てていた。寝顔が気が抜けてて可愛い。
……格好良さと可愛さの両刀とかむかつくわっ!
『はぁー……』
身体が寝起きからあちこちべとべとだしシャワーを浴びたい、ローションや精液で不快なバスローブの中。さっさと朝の支度して、キッチンでお湯でも沸かしていよう。もう少し彼を寝かせて起きたい、疲れも溜まってるだろうしね?
緩く抱きしめられる腕から抜け出そうとしたら、ぎゅっと逃げられないようにしがみつかれる。起きてんならさっさと起きろと言いたいけれどじっと覗き込む顔は寝顔のまま。少しだけ眉間にしわを寄せてる。多分、無意識で私が抜け出さないようにしてる。
……愛おしい人、と私の表情が緩んだ気がする。いや、確実に緩んでる、好き。私はこの人が好きなんだから、一緒に過ごしていけば身も心もどろどろに蕩かせられてしまう。
ここまで大事にしてくれるのなら嬉しいよ?時間がない朝なら起こしてたけど、今日からは私達生徒は基本的に休み。でも悟はどうだろ…、昨日特に言ってなかったけど。
時間があるし、ともう少しこのままで居たいかも……とシャワーを断念してしがみつく悟にくっついた。
今こうしてるゆっくり出来るこの時間が一番嬉しい。もぞ…と、彼の胸元に耳を当てて時を刻むような悟の音を聴いていた。