第26章 だから師走というんです
251.激裏
それはもう、お風呂に体を浸かったその瞬間から始まっていた。
日常としての入浴という雰囲気ではなく、初めての環境下でそわそわと落ち着かない中での事。シャンプーやボディソープは寮で使ってるのと同じだけれど広くて浴槽はふたり入っても狭いとは感じない。でも、私と悟はぴったりとくっついていた。
『……』
ざぶ、とお湯が揺れる。腹部に引き寄せるように回された腕。その彼の手は胸元にと大きな掌が当てられる。胸を揉むためじゃなくて、心臓の調べを確かめるような。
「…ククッ、ちょっと緊張してる?」
『そりゃあ、まあねぇ……プレゼントが豪華でして落ち着かないんだな、これが』
「ふふん、僕らの愛の巣だしね~……」
背後から私の右肩に乗せられた顎。濡れた髪がくすぐったい。
ふぅ…、と長く吐き出される呼吸。最後に「ククッ、」と喉で笑ってた。
「リラックスしなよ~…今夜は長いんだから」
『……ん』
頷けば、また笑って「いい子、」と胸に当てていた手が彼側へと引き寄せられて。湯船の中で背後から腰に当たってるもの。勃ってたのは知ってたけれど、トン、トンと小突かれて悟がもう、ベッドまで保たないのかも…、と察した。
『悟…、』
「ハルカ」
ザバァ!と急に立ち上がって少し俯く悟はまだ湯船に浸かって丁度見上げた私の顎に片手を沿える。
彼が立ち上がった事でお湯がたぷん、と大きく揺れてる。その中私の目の前には私より少し上の位置、更に上を向く猛るペニス。
「……ハルカ、口でして。上手に出来たら僕も同じくハルカにしてあげる」
私は眼前のものを見た。
見下ろす悟を見上げればにこ、と笑っている悟。そっと腰を使い、私の口元にペニスの先端を近付け、私に添えた手で顎を押さえたままぐり、と押し付けてきた。唇の間をこじ開けるように、下半身に入り込むように入ってくる。
『んっ、』
熱くてつるっとしたものが口に入ってくる。「上手に舌使って気持ちよくさせて」という言葉が上から降ってきて、歯を立てないようにと気を付けながら舌でその輪郭をなぞるように動かした。