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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第4章 乱心、暴走


27.

起きた瞬間から地獄だった。
怪我とかは式髪が消費され治療されるけれど二日酔いは関係ないようだ。命を脅かすものじゃないからとかそういうのかも、風邪とか私、引くし。
二日酔いが酷く頭の中がロックフェスかというくらいにガンガン響いている。アリーナのスピーカー近くの席かな…いや、ロックフェスというかメタルかもしれない。デスメタル。ヴォーッ!
そんなフェス会場という頭を押さえながら、起きてもたもたと朝の支度を済ませる。部屋がもう、酒臭い。外でしこたま飲んで家でも飲んでる。後悔しながら窓を開けて換気を始めた。

『なんかあったっけ……、ウィダー…でいいや…』

ゼリー飲料を吸いながら、掃除機が面倒くさいのでコロコロローラーで掃除をする。いや、こっちの方が良いんだ、掃除機の音今聞いたらヤバい。
昨日食べ物じゃなくてお酒を買ってる自分に、食べ物も買えやと言ってやりたい。なんだ、すごいも。わざわざ4Lも買ってどうするんだ、すごいも。
スプレー式消臭剤を撒き散らし、机に向かって文字の詰まった山に向かい合った。図書室で借りてきた本などもある。
私は学生じゃないしテストとか無いからもう、必死に詰め込めるだけ詰めるしかない。午後は事務に行くけれど午前中は勉強と接近戦の訓練。
怪我人が出れば医務室に呼ばれる。その接近戦は悟だ。

……そう。悟、だ。

『……はぁー…、』

昨日の今日、どういう顔で行けば良いの?と違う意味でも頭が痛くなりながら、手の平を見る。
悟は目がとても良いから呪術が見えるのだそう。手に力を入れる。治療対象は居ない。
……自分の二日酔い治らないかな…、あっ駄目だわ。意味無さそう、手の平を頭に着けようとするのを止めて正気に戻った。
時計を見てあともう少し、一人の時間を楽しもう、とまたページを捲った。


****


部屋の鍵を締めて、何かが足りないなぁと思ったらツカモトが居ない事に気が付いた。
鍵をポケットに入れて、速歩きに医務室へと急いだ。ツカモトを回収して体術の練習に体育館へ行こう。
また二日酔いの抜けていない体。ドアをノックして私は入った。

「どうした?ハルカ」

『ツカモトを忘れてまして……体術教わる前にと』

机の上に置かれたツカモト。それを家入は人差し指で指した。こいつのことか、と。
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