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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第26章 だから師走というんです


『泣く自信て……。私はタキシード姿の悟を連写する自信があるよ?』
「あっそれは僕もやるかな~!絶対にハルカの写真撮るー!」
『泣いてる悟を撮りまくった後はちゃんと普通の表情の悟も絶対に撮る!』
「ちょっ、普通の表情ってなによ~?」

にこにことお互いにまだ起こっていない現象を語り合って、通路前で手を振る。互いに"また後で"と。きっと私の方が時間掛かってしまうだろうから、悟は着替えとセットが終わったら待ちぼうけする。しっかりと綺麗になった状態で彼に会おう、と私は気合いを入れて個室のドアをガチャリと開け、入っていった。


****


腕や肩、それから胸元や背中と素肌を晒した状態。季節は冬、外は雪がちらついていたけれど館内は暖房が効いているお陰で震えることなく暖かい。
真っ白なドレスを纏って、ヘアセットもいつもよりも華やかなお化粧も終わって姿見で確認をする。普段と全く印象が違う。化粧の仕方も自己流が消え、綺麗に見せる為の最大の後押しがされている。ヴェールはまだ、顔に掛けないままで。

……目の前の鏡の中。なんだかとても幸せの具現化みたいな自分が映り、ふんわりと笑ってそこに立っていた。

『……彼に見せに行っても良いです?』

「ええ、どうぞ。ドレスの裾が長めですから移動の際はお気を付けて下さいね?」

ぎゅっとドレスの生地を持ち上げ、動きにくい中ドアまで行くとスタッフがドアを開けてくれる。『ありがとうございます!』とお礼を言ってドアから出て通路へ。キョロキョロと彼の姿を探した。

彼の姿は程なくして見つかる。ドアからそんなに離れていない場所だった。
壁に寄り掛かる彼とバチッと視線が合う。私服はともかく…呪術師として黒が多めである悟には珍しい白。所々、青の装飾品が彼らしさを感じる。
また、タキシードのジャケットが照明に当たって少しばかり反射していた。
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