• テキストサイズ

【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第26章 だから師走というんです


246.

時は十二月の二十三日。そう、前撮りの予約をした当日。せめて今年中に記念となる写真が欲しいから、と決めた日だった。一週間ちょいで新年を迎える、年末に予定を詰めてしまった忙しいスケジュールなのだけれど。
一生モノであろう、これから先ずーっと残る写真を撮るのだから今日はとにかく良いモノを撮らなきゃ!
……って事で昨晩は寝不足や変な痕がお互いの体に残らないように、と悟には"するなよ?"と言い聞かせており、夜、ベッドに入るまでハの字眉で大変不服そうな表情だった悟も今朝には機嫌が戻ってる。

寒空の下、高専の敷地内。空には太陽が出ていても外気は冷たく吐息が白くなる中、少し鼻歌混じりでいつものように高専の車の運転席に乗り込む悟。私も車の助手席に乗り込んだ。
シートベルトを装着しながらに彼はフフッ、と嬉しそうに笑っていて、こっちにまでそのふにゃふにゃ顔が感染するわ。

「あー、もう楽しみだなあ!マーベラス・楽しみ!ハルカが真っ白なウエディングドレス着るんでしょー?来年、着るのとは違うんだからしっかりと目に焼き付けておかなくっちゃ!」
『悟、超浮かれすぎ』
「そりゃー僕だって浮かれもしますわぁ~、花嫁姿を今日中に見れるとか撮影後もドレス姿で連れ回したいくらいに…、」

喋りながらエンジンを掛けたらしい悟。その横顔が冷静じゃなかったらしく、ウヴンッ!と唸るエンジン。さっきまでへらへらして浮かれてたのに思わず止まる悟の動き。以前にも同じことやってるんだけれどコレは突っ込むべきなんだろうなって。この前とかも運転する姿を見て、頼もしいって思えた彼もいつものちょっと残念な所を見せてる。これには私もなにやってんだか、と吹き出しそうになった。

『ん、ふふっ…なにやってんのさ、久々にやらかして~』
「……ふふっ、久しぶりにだるま屋ウィーリーしかけちゃう所だったねえ…。安全に花嫁を会場に連れて行かないとね?」

出発時にやらかしたのはそれっきり。あとは安全に運転をして目的地である場所へと辿り着く。外は空気が澄んでキンキンに冷えてはいるけれど、積雪はなく。また雪も降ってなかった。寒ささえなければ冬のお出かけ日よりといった所かな。
/ 2273ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp