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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第26章 だから師走というんです


少しヤケになった虎杖が入り、私から離れないように玉犬も共に入る。のっぺりとした呪いが3体程。虎杖が突撃して蹴りを入れてる所から離れた位置の呪いへと玉犬は駆けていった。
そうやってふたつ目に入った部屋は想像以上にイカれていたのだけれど。いくつか部屋を回っていれば完全に人が入らないように出来なかった廃ビル。流石良くない人達のたまり場になるだけはある。
交互に突撃していくと虎杖の番の時。ガチャア、と彼が開け放ったドア。もはや開けてみるまで何があるか分からないパンドラの部屋、「オープン!」とテンションの高めの彼がぴた、と止まって「おじゃましましたー」とそっとドアを閉じる。

『えっなになに?』
「この部屋は……うん」

項垂れ、なにやら言い淀む虎杖。まぁた塗料臭のヤツか~?とも一瞬思ったけれども閉めた勢いで運ばれてきた風に臭いは乗っていない。ただビル全体に籠もる、少しだけカビ臭いのが鼻に届いたくらいで…。

「ここは俺だけで行って来ようかなー…ウン」

こっちに視線は向かず、目が泳ぐ虎杖。これは怪しい香りがプンプンしますね!

『いや何が部屋に待ち受けてんのさ?気になるよ!?』
「いやいやいや!見せるのは無理!気まずいって!俺と先生なら分かるよ?でも…ハルカ女の子じゃん!いや、俺も見るに堪えないけどさっ」

……あっ(察し)
たんっ、と私の肩に置かれた手。それを私は即払いのけるも再び懲りずに乗せられる手。乗せられては払いの攻防を繰り返したのち、乗せっぱなしを私は仕方なく許す。
嫌だなー…とゆっくりと悟を見上げれば至極愉快そうな笑みを浮かべる口元。

「楽しい気配しかないねっ」
『不安しか感じないわ!』

虎杖が閉めたドア。そのドアノブを後方に居た悟がしゃしゃり出てきて捻り、ガチャ、ともう一度開ける。虎杖と悟がその半分程開けたドアの隙間から覗いてるから私が背伸びしようとしても背の高い男ふたりに遮られて中の様子は見えなかった。むしろ置かれたままの手もあり、背伸びが出来ないんだけど。
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