第4章 乱心、暴走
『すっごく大きいですよね。中身もぱんぱんに詰まってますし(4L)最後まで楽しめちゃうんです』
「あなたがこれほどまでとは思いませんでしたよ……外でもですが、まさか私もあなたの部屋に上げられてまでとは。
明日に響きます、ちょっとだけにしてください」
傾けるボトル。
どぷっ、と勢いが良かった。
『あっ…!勢い良くいっちゃった…いけますか?』
「はあ、仕方ないですね。私もこれくらいいっときますよ。もったいないですし」
仕方がない、と言って軽く傾けると軽く呷って、ごちそうさまでしたと立ち上がる。
「では私はこの辺で」
『お疲れ様でーす、ありがとうございました』
玄関へと向かう七海。
部屋に帰ったら暑いなぁ。上着を脱ぎ床に投げた所で机の上に七海の携帯が置き忘れてあるのを見つけた。
玄関のドアの音、早くしないと…!上着?今更でしょ、インナー来てるしブラが見える訳じゃないし。
急いで玄関ドアを開けてどん、と人に当たった。
『あ、七海さんか、すみません。で、立ち止まってどうしたんですかー?これ忘れ物…、』
開けた玄関のドアから上半身を出して覗けば隣の部屋の玄関前で硬直しているサングラスに私服を着ている悟が立っていた。
七海を見ていた悟は私を指差している。昼間の事もあって体が強張る。
「は……?七海、オマエ……ハルカと…?あ…え?なんで…?」
「勘違いされてますが五条さん、私は彼女を部屋に送り届けただけですよ。では明日…」
携帯を取ると七海は帰っていく。
固まる悟に言うことも無い。昨日までだったら私、なんて言ってたっけ。
『……、』
パタン、ガチャ。
しかし今日は本当に飲みすぎてしまった。
もたもたとキッチンに七海のグラスを片付けて、一杯分の自分の芋焼酎を呷る。
それらを片付けて床に投げた上着を拾った。
『あー…汗だく……パンツまでぐっしょり…お風呂はいろ…いや、シャワーだなぁ~…』
この状態でお風呂は死ぬ。沈んで死んじゃう。
意識がはっきりする内にとしっかり支度をして私は眠りに着いた。
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