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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第25章 気分はホワイト、時々ブルー


にこ、と笑った後に私は視線を手こずった刺繍へと移す。思わず苦笑いを浮かべつつ。

『受け取って頂けて光栄です……はぁ、でもやっぱ昨日の完成時のテンションでは自画自賛しちゃったけどこう見ると……やばい、賢者タイム来た、やっぱ刺繍部分の糸引っこ抜きたい、一からやり直したい、もしくは何も手を入れないまっさらな状態で渡したい……』
「やめて?ちょっ、やめてー?」

見れば見るほどに違和感を感じるから恥ずかしくなって手を伸ばせば、悟は手で隠して嫌がった。その動作はまるでスター・ウォーズのヨーダの如く。

「ワシのじゃ!ワシのじゃ!」
『晩年のヨーダかっつうの!』

そんなやりとりをしているうちに車の暖房が効き、暖かくなった所で発車する。今日、買い物は最後にするとして、今向かってるお出かけの目的は悟や私がレンタルするものを試着して決めるという事。それが重要な本日のイベントとなっております、っと。

雪は路面に無くとも車を慎重に走らせて到着した店舗では、私達以外にもカップルが居て、また若い女の子とその母親のコンビなども見かけた。成人式の着物、かな…。成人式の前撮りとか成人式に着てくやつだとかさぁ…。
いくつか昨日の夜の内に候補を決めていたものから試着しては、係がバインダー片手にメモを取ってる。昨晩の悟が付けたキスマークは即バレたと思うけれど、ただ一言「仲良しさんなんですね」と笑われてしまった、どうしてくれんの悟……。

流石、パーティードレスよりも布面積や重ねた層も違うから結構重い。かつてこんなに重い服を着たっけか、とウエディングドレスを着込んで姿見を見てはまさかこんな急に花嫁衣装に身を包むとは、と信じられない気持ちと物理的に信じざる負えない重さを感じる。
前撮りの写真は主に白いドレスに力を入れてる。本番の御三家としての白無垢ではなく、硬くないであろう"アフター"として着るドレスはだいたいカラードレスとなる。まずは黄色、そこから青だとかって話を昨日挟んでた。
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