第4章 乱心、暴走
今日は随分と七海がストッパーしてくれている。でもそんなに私は酔っていないとは思う。確かにいつもよりちょっと多い気がするけれど。
家入は額を押さえていた。
「ハルカ、行動を早くしすぎたのはいけないな、行動力馬鹿も程があるぞ。もう少し考えて話し合えばもっと良い方向に進めたかも知れない。
けど、あいつ自身も気が付けなかったあの馬鹿も馬鹿だ」
モスコミュールがテーブルに置かれたので備え付けのライムを絞って指先でかき回し飲み始める。
マドラーもテーブルにある。けれど今日は余裕が無かった。ゆっくり飲んでると左側から取られてしまうし。
そんな私の行動を見ていた家入は背中を叩く。
「私は帰りに薬局寄ってくから七海、この酔っぱらいを部屋まで送れよ」
「了解です。で、何を見てるんですハルカさん。メニューはしまいなさい、終わりです」
最後の一杯をなににしよう?と、片手のモスコミュールを飲み干しながら私は選んでいた。
『えっ帰るならラストオーダーを…シメのハイボールをさぁ…いや、コークハイにしようかしら?』
「今飲んでるのがあなたのラストオーダーです、もう飲み終えたようなので帰りますよ。明日も仕事です」
『えー』
渋々解散、ということになり私はアルコールが入って気分がハイになっていた。
部屋に帰ったら悟…居ないよね?流石に振ったんだから、もうただの呪術を教えてくれる人と、教わる人。その関係のはずだから。
そう考えた私は思い立って、七海にコンビニに寄って!とねだった。
トイレを借り、買い物をする。壁がスライドされないようにと壁に貼り付けるものと自宅での飲み物が欲しかった。コンビニの出口に七海は立って待っていたので早めに会計を済ませた私。
『お待たせですー、七海さん。さて帰りましょう!』
「……なんですか、それ…あなたアホなんじゃないですか、はぁー…」
私の抱えるミサイルのような重たいもの。
それは宅飲み用の酒、すごいも(4L)だった。