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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第25章 気分はホワイト、時々ブルー


『っ……!すっごい冷えてんじゃん、なんでこんなになるまで外に居たワケ!?』

少なくとも三時間はずっと玄関に居た事になる。ずっと諦めて帰ったはずだって思ってた。
こんなに冷えた肌に触れれば、今になって帰れなんて言えない。風邪を引いてしまうんじゃないかって心配になる。
見上げた悲しそうな表情の悟。片腕は私の背に回され彼側に抱き寄せられながらも、もう片手が悟の頬に触れた私の左手に重ねられる。頬と同じく冷えた大きな手に包まれる私の左手。
ふっ、と儚く悟は笑った。

「ハルカが死にかけた時も……実際死んだ時も。僕、諦めなかったろ?僕はさ、諦めが悪い男だからずっとずーっとハルカを待つつもりだったよ。だからこれくらいの時間を待つのは早い方さ。
……これだけはどんなにキミが止めてって言っても、僕だって譲れない事なんだ」

『……たまたま出てきたのであって、私が出てくるのが明日だったかもしれないよ?』
「それでも僕は寝ずに家の外でハルカを待った。この家に吸い寄せられる呪いからも変な人からも守れて一石二鳥だね?」

ククッ!と笑って私の手を重ねた手で頬ずりをする。右手でそっと髪をかきあげるようにすれば溶けた雪が水滴となって私の指の間、手の甲からつう…と肘へと流れていく。内肘にはマフラーに着いた雪がじわりと溶けて水になった。

『こんなに体を冷やして……風邪、引くじゃん。何やってんの、私は家に帰るって言ったんだし、追ってきた悟に帰ってって言ったでしょう!?』

例え治せるとしても、ただの風邪としても辛いものはつらいのだし、ましてや私が原因で風邪を引かれては困る。苦しむ原因にはなりたくない。
キッ、と見上げた彼を睨むも悟は優しい表情をこちらに向けるばかりで…。

「大事な奥さんが泣いててそこで手放すような薄情な男に僕は見えるの?ハルカには。僕はハルカに実家に帰るから来るなって何度言われても引き下がれないよ、だってハルカは僕の宝物だもん」
『……』
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