第24章 ハロー、ニューワールド
「以前、伊地知さんや夏油さんを呼ぼうとした際の時ですが、伊地知さんは忙しかったのは事実として夏油さんについては夏油さん自身知らされてなかったらしいですよ」
『あっじゃあ悟の仕業ですねー、あんにゃろ呼んだとか嘘こきやがって。
……じゃあ傑さんも次は必ず呼びましょう』
「はあ…、別に良いですけれどだんだんと人数が増えていきますね……」
お酒が飲めるぞー、とわくわくして七海と話していると小さく、「い…」という声。
なんだ?と下を見ればバインダーを両手で持ち、ちょっと震える猪野。
「行きたい…っ!七海サンの話を久しぶりにじっくり聞けるチャンスですよねっ!次は俺も…っ!次はいつですかっ!?」
七海と顔を見合わせる、まだ決めちゃいない飲み会のスケジュール。忙しくなければすぐに日程が決められるんだけれど今は年末、後に控えるは年始。
口元に拳を当て、考える七海。
「年末ですし近々忘年会はあるでしょう、それでとりあえずは我慢してください」
『あー…そんな時期かあ…、確かに十二月ですもんね』
「とりあえず忘年会俺、絶対に参加します!」
大人数集まるのなら欠かせない行事。じゃあ新年会もやりましょうよ!と猪野は騒ぎながらに止めていた手を動かしていく。
忘年会も楽しみだなあ、と書き終えたバインダーを受け取って必要事項を書き込みながら、元気になった猪野と七海の背中を私は見送った。