第24章 ハロー、ニューワールド
野薔薇はそういうけれどさ。餌付けも確実に言う通りにしてくれるわけじゃないし。今頃東北のどこかに任務に行っているであろう、彼をもんもんと想像しながら餌付けの勝率を計算してみる…およそ四割くらい?後はサービス面で四割、二割は制御不能での暴走か。
『……食べ物を与える事で全て解決出来るわけじゃないよ?流石に制御しきれない事もある』
苦笑いしてそう言えば、伏黒に「それでも長く居る俺よりもかなり行動を抑えている方」と言われ。
……付き合ってない頃を思い出せば、まあ…すっごいフリーダムだったかも。例えるならば、首輪とリードを着けてるのにも関わらず、伏黒なり学長なり七海なり、リードを持ってた人物から離れ自由気ままに走り回ってたのがいくらか落ち着いてるというか。ペロペロ舐め回し&じゃれつきが激しいわんこ状態だけど。
『……そうであれば良いなあ…、』
悟の初恋相手であった為にずっと求められていた分、記憶を取り戻して特に爆発したかのような懐き度はクラスメイトから見ても異常に見えてるはずだ。見慣れてしまえば引くを通り過ぎて通常運転とみなし無視してるからメンタルが皆強い。
宿儺は全然心を開かないみたいでどうすれば心を開くんだ?と話し合う私達は寒さからだんだんと身を寄せ合い、階段で四人が並ぶ光景を作り出していた。