第24章 ハロー、ニューワールド
野薔薇はそう言うけれどここに居る虎杖は生きてる。死んだ、というのは姉妹校との交流会前に宿儺によって自身の心臓をえぐり取って、死亡と判定されて……その交流会に復帰!と皆の前でサプライズをしたという話。
虎杖みたいな事してんだなあ、とその引き寄せられた野薔薇の背に片手を回す。
『ご、ごめん…?』
「はあー……全く!てかいつ目が覚めたのよっ!」
べりっ、と剥がれて両肩を掴まれてがくがくと私を揺する野薔薇。自身の髪が揺らされ、うねって大暴れしてる。
『あばばば…、きっ、昨日の夕方くらいに、』
「昨日の夕方だったらはよ連絡せんかいっ!」
揺する肩の手が止まり、パァン!と両肩を叩かれた。叩かれた鉄の如く思わず背をピンと伸ばす。そこへ助け舟を出すのは悟。
「まあまあ、しょうがないよ、野薔薇ー、起きて速攻、僕が医務室から回収したんだもーん」
いつものかあ~…って顔をしたふたり。虎杖だけはぱちくりと瞬きをしていて。控えめに彼が悟に向けて手を挙げた。
「夕方なら先生に回収後も時間あったんじゃねーの?」
「虎杖、相手は先生だ、ハルカがその後どうなったかは察しとけ」
「えー?察しろって…なにを?」
伏黒は察しが良いとして、虎杖は純粋に分からないらしく私と悟を見てから伏黒に答えを求めるように迫る。困ったというか、口ごもる伏黒。
「ウン、悠仁にはちょっと分からないかもね。理由はキミ達が18歳を迎えたら教えるねーリアルな保健体育の話だしっ」
『先生、先生を通報しよっか?』