第24章 ハロー、ニューワールド
今の健康状態については、現在身体に特に異常はなく、安静とかせずとも普通に過ごせるから、今日は学校に行こうと思ってる。
朝の支度を終わらせて私は制服に、悟はいつもの上下黒の服へと着替えて昨晩食べるはずだった食事を温めて。悟から私を消そうとした、血をこっそり入れたものは責任を取って私の方にして、もったいないから食べる事にしてる。鍋に入れて温め直しが良いんだろうけど、そういう事があるからひとつずつレンジで温めた。
温めるものを全部温め終えて、ようやく席に座ってお互いにフォークなりスプーンなり手に取ってさ。
『あー…、こっちもそうだけど京都の人達にも蘇りましたって連絡しとかないとね。報連相がなってない!ってあちこちから怒られそう……』
京都の人達にはお世話になったしね…とスプーンでミネストローネの具材を眺めていると、目の前の席の悟はにこっ!と笑ってる。
「ん?よみがーえーれーって?」
『Over Soulか??いや、マジで先祖を憑依させることは可能だけどさ~…』
口に運ぶひとくちは美味しいトマトの酸味が効いた、野菜たっぷりの健康そうな味。普通に酸味の効いたミネストローネだなあ、と食べたらなんの変哲もないものだった。ここに私がこっそりと血を入れてるだなんて絶対に気が付かない。鉄の味ってなんだっけ、だ…本当に隠し味になってるわ、これ。
悟が口に運んだ後にそのスプーンで私を指す。食べてる最中の手を私は止めた。
「恵達に一年生までしか一緒に居られないって言わない方が良いからね?」
『……その心は?』
じっと悟の顔を見ると、くすりと笑って「落語じゃないけどさ、」と柔らかい笑みで続けてる。
「変にお別れムードになって特別扱いされんの、オマエ、嫌いだろ?3月頃に打ち明けな、学生じゃなくなっても呪術師として僕が高専に携える様にしとくから。
来年度も寂しくならないようにさ!」
スプーンを引っ込め、スープにカラン、とスプーンを差し込む彼は「ハルカの呪いを引きつける力やSSR度については、天元様の守りの中が一番安心出来るからねー」と朝にしては量の多いパスタをフォークで食べてる。