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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第24章 ハロー、ニューワールド


まだ寝足りない眠そうな顔してんな……、と私はティッシュをずぼ、と一枚引き抜き、よだれを垂らしてる口元を拭く。昨日の彼とは別人みたいな事になってる。
口元を拭かれ、もぞ、と上半身を起こす悟。起きがけで髪がちょっと癖が付いてて(どうせ手ぐしで直るけどねっ!チクショウ!)部屋着が斜めに着崩しながら、虚空を見上げぼーっとしてから真顔になって私の顔を見た。そんな目をかっぴらいてこっちを見んな。
だんだんと彼の顔は青ざめていく。

「や……やっちまった…」

やらかした、という顔で片手で額を抑える悟がうなだれてる。

『ん?なに?おもらしでもしたの?それとも夢精?』

トイレの夢とか見てやっちゃったパターンとか、激しいえっちをした事もあって寝てる間に発射したとかそういうのかな?出したものは引っ込めない、現実を受け止めな。それくらいの覚悟で私はシーツ交換か?と布団を捲ろうとしたら手首を捕まれそれを阻止されてしまった。
顔を上げれば首をブンブン振って必死に否定する悟。

「違う違う!イケメンはそんなダッセー事しないからっ!どっちも出てないですっ!
その、昨日…っ、ハルカに僕…っ酷い事をさあ…、」

彼もあまりしたくなかった事だったんだろうな。私から手を離して両手で顔を押さえ、うーんうーんと唸った後に隠した手を降ろすと若干涙目で。そのままに私を力強く抱きしめる。

『うわっ、』
「ごめんっ!ほんっとごめん、ハルカ!酷い事キミにしちゃった、無理矢理迫って痛いことしてた!ハルカ、嫌がってたのにっ!」

……確かに、最初ほど凄く嫌だった。離れたいという考えの私に離そうとせずにする悟。強引故に痛みもあって、男女の力の差を感じて。恐怖も感じた。

『……うん。痛いのは嫌だったかも』
「ごめ…っ、ごめん!あんな事しちゃってるけど、僕はハルカの事、好きで好きで…愛してるのに…なのに離れて欲しくなくって……」
『……』

ぎゅうう…、と力の強くなる腕。

「僕の事、嫌いにならないでハルカっ!」
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