第24章 ハロー、ニューワールド
……かなり乱暴なえっちだったけれど、それもまた凶悪になりきれてなかった優しさが抜けきれていない行為だった……しっかりと最後まで中に出されてたけど。
私の卑怯な手に対しての不満、それから悟の気持ちが込められていて、愛が伝わってた。気持ち良くて感じて夢中で嬌声を上げ、私を求めてくる悟を受け入れ、最後まで受け止めてしまった。
……もし、もしもの話。別れたっていっても私も悟に未練が出来て一生忘れられないだろうな、と眠る悟をゆっくりと撫でてベッドで彼の胸に顔を寄せ、瞳を閉じる。
ぐう、と自分のお腹からの音。食べる前に事件起こして現在進行系でベッドインだもん、食べられてないんだよね……お腹減ったなあ、と思ったけれど、ひとりだけあの冷たくなってるだろう夕飯を温めて食べるのは気が引けた。
……目が覚めたらこの人と一緒にきちんと食べよう。
──そして時は昨日までの私と違い、きちんと過ぎて待ち遠しかった明るい朝がやってきた。
目覚めて爆睡する悟を揺り起こす。きっと私はたくさん眠っていたから彼よりも早く、そして快調な朝を迎えられたんだと思う。
対して悟は相当疲れててすぐには起きない。目を渋ったそうにして瞼を開けず、起こしても掛け布団にもぞ、と潜り込む。いや、気持ちは分かるよ?寒いし眠たいだろうしね?
上半身を起こした私。その隣の半ミノムシと化してる悟を、布団越しから片手でゆさゆさと揺する。
『悟、おーい、朝ー。朝ですよー……オラッ!起・き・ろ!』
「んー…」
『アルパカみたいな鳴き声出してんじゃないよ…ほら、起きて起きて』
いかにも学校遅れるよ、と起こされる子供がぐずってる朝の光景みたいだ。微笑ましいこの光景は昨日までの私には諦めていた日常で当たり前の光景のひとつ。ストレスよりもなんだか嬉しいなって気分になってきた。
もう一度搖すり『さーとーるー』と声を掛けたら、もぞもぞと布団から顔を出し、とろんとした目元とふにゃりと微笑む口元。朝からそういう色気を出すな、結構慣れてるとはいえ時々効くんだから。
「ん…っ?あー……ハルカだあ…、夢じゃない、ハルカが起きてる~」
『ん、起きてる起きてる。私も起きてるから悟も起きて?』