第4章 乱心、暴走
医務室や事務に行くことで一応、お給料が貰える。ホムセンよりも今の時点で稼げてた。お給料入ったらそうだ、美味しいものを食べよう。学生時代の友達でも誘おうかな、いや、たまには父親と行くのも良いなぁ。迷惑掛けたから奢りますって家入さんと行くのも良いかも。
出来るだけ良い事を考えて洗顔した顔をタオルで拭く。まだ目元が赤みがあった。
いつまでもこうしていちゃいけない。
私は両頬にぱんっ!と気合を入れて玄関を飛び出した。
****
『遅れましたー…』
「家入さんより伺ってます。体調不良だとかで…今は大丈夫ですか?ハルカさん」
教員ではないけれど、ここに居る七海が紙のファイルを手に取っている所で合流した。
気分は下がっているけれど出来るだけ平然を装う。でも空振りしてしまってへらへらと笑っていた。眉が、眉間にシワが寄ってるのが見える。
「あまり気分が宜しくないようで」
『そ、そう見えますか…ね……あの、七海さん、』
私は各所から集まっている報告書をトントン、と揃えて席に置く。キャスター付きの椅子を引いて私は座った。
『今日、飲みに行きませんか?家入さんも誘って行こうかなって考えてるんですけれど…』
数枚、捲ってホッチキスで纏める横、必要なファイルをデスクに置く七海。
「良いでしょう、飲みすぎない様にお願いしますよ。あなた、飲みすぎると面倒くさいですから」
『やった!家入さんとこ連絡いれとこ、飲むぞー!』
「仕事中ですよ、ハルカさん」
飲まずにやってられるか!と急いで誘いの連絡を入れて私は仕事に没頭した。
雑念を消して頑張っていけばあっという間に時間は過ぎていくから……。