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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第24章 ハロー、ニューワールド


『死んでたのにどうして今、私は生きてるの……?』

「それは皆の協力あってこそ、だよ……うん。
新が術式を掛けて死にたてのオマエを維持して、憂太が反転術式で治療を、僕がずっと心肺蘇生を繰り返して生き返らせた。オマエを殺った呪霊は……仇は、葵が取ってくれてる。
それからは大変さ。脳波もさ、たまにあるくらいで植物状態に近くて……。始めは病院に居たのにトラブルメーカー発動して、他の患者をオマエ、治しまくってて。最終的に高専内に特別に連れてこさせたってわけ」

私の掴む手からすり抜ける彼の手は、勢いよく私の両頬を両手で挟む。頬がペチ、と痛くもない乾いた音を立てた。
泣き顔のままにちょっと睨む表情をしてる悟。

「なあ、呪術師の交流パーティーの約束、覚えてるだろ?」

『……うん』

次、死にかけるような事があれば子供を作るって話だった。だから学校は中退だねって話をしてたんだった。けれどどれだけ気を付けたって私は一度死にかけ、次に死んで。
残念だけれど、卒業は出来ないって事。それは約束なのだからもうチャンスは無いし、チャンスを貰おうとはもう思わない。
私も、彼をこんな風に悲しませたくないから。

「覚えてくれてるなら良い。学校については流石にすぐとは言わないけれど、ハルカは一年生として最後まで皆と一緒に居なよ。最後まで僕の可愛い一年の生徒として扱わせて。それでいてオマエは僕との約束を守るっていうのなら二年に上がる事はない。それは僕が許さない」

軽く私は頷く。それを了承として悟も「ん、」と頷き、話を続ける為に私の瞳をじっと見て唇を開く。

「ただでさえ呪術師は少ないのに、更に他人を治せる呪術師が少ないんだ。オマエは僕がどんなに"僕のモノだ"と言い張ろうにも上層部がそれを許さない。この呪術師の世界にはハルカは必要であるから、学生を中退後、春からの仕事の話は僕も上と入念に相談しないとなんだけど……なんだけど」
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