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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第23章 突然ですが、さようなら


──それは僕にとっての青天の霹靂。

信じたくない、嘘であって欲しいのに電話をくれたのは、冗談なんてなかなか言わない葵からの言葉だった。
今の僕にとって大事なものはハルカだから、今彼女を失ってしまったら……僕は…。

そんな覚悟なんてしてられるかよ。希望だけ抱えてりゃ良い。
まだ、ハルカは死んじゃいない、いつもみたいになにかに巻き込まれて瀕死なんだ。まったく、世話の焼ける可愛い奥さんだよ。
……きっと、いつもみたいに奇跡的に目を覚ます。そんで、心配かけんなって今回はちょっと強めに背中を叩こう。それでついにやらかしたねって言って、あの日の約束、二年になる前に自主退学してもらってこれからは生徒ではなく僕だけの奥さんとして……ああ、でも医務室も担当したりして。時間を掛けてでも良い、子供を作って僕の帰る場所を守って貰ったり、一緒に高専で働いたり……生きていく多くの時間を僕と過ごしてもらおう。

嫌なことから逃れる為に、たくさん現実逃避と理想を考えて僕たちは駅へと駆け込んだ。
目指すはカラーコーンやブルーシート、簡易ポールで目隠しした偽の工事現場。高専の仮拠点。

走る僕らの風圧にバサッ、とシートが少し捲れ、僕たちはその通路を分断した場所へと辿り着けた。
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