第23章 突然ですが、さようなら
「同じものばっかで悟はソレ、飽きないの?というか、ハルカも飽きないの?」
ちょいと引いてんな、真依。
……最悪、甘いものが受け付けなくなったらデザートではなくおかず系にすれば良いのであって、ツナマヨなりベーコンなりそういったものと食べれば飽きが延長される。いや、本音を言えば飽きてきてるけれど、京都にいる間に別メニューを用意するのがだるくなってるし。
悟の事、甘やかしすぎかなあ…、たまには白米とか炊いて朝ごはんとかにしても良いかも。ずっとこの調子を何年も何十年も続けたくない、習慣を変えるなら今かもしれない。
にっこー!と私は笑った。
『実際飽きてます!』
「我儘に無理に付き合うのも程々にしなさいよね」
『東京に帰ったら毎朝白米ベースの朝食にしてやらあ、くらいには滞在期間に思えてくる様になりました』
同棲したてはご飯とか別メニュー食べてたんだけれどね。今回、一日置きに自分の好きなもの、というよりも色んなものを食べて、色々食べるこっち(ランダム)の方が飽きも来ないし良いと気が付いて。変わらぬ材料の同じ朝食はフードボイコットする犬並に食傷気味になる。
帰ったら実行してやっかんな!という気持ちで買い物を終わらせ、四人揃って服を見たり、雑貨を眺めたりと彼女たちに付き合って一緒に外出先で夕食を食べて帰る。定食を頼むと体に優しいお惣菜がバイキング出来るという店舗で、ちょっと最近煮物作って無いな、と今度の献立を考えたりして。
割と楽しいかもしれないな、と寮の部屋に帰った私は買ってきたものをのんびりと振り分けて収納していた。
『……明日、これ…作って見ようかなー』
部屋で負傷者を待機してる時に作れたらなって、お菓子作りキットの箱を買ってきてしまった。それを手にとって見る。
誰でも簡単に出来るっていうブラウニーセット。材料も買ったし悟が帰ってくるまでに作れたら良いな。
正面と、説明文の書かれた背面をみて明日を楽しみに思いながら戸棚に突っ込んで。今日は早めに休もう!と、お風呂の支度を始めた。