第23章 突然ですが、さようなら
学校生活は二週間、前の日に入ってるからトータルで十五日の京都の滞在。今日は十日目だった。明日で十一、明後日で十二日。東京に帰るまであと少し。放課後は基本歌姫くらいとしか関わってないけれど、怪我したり差し入れにだとかで京都の生徒と少しずつ仲良くさせてもらってる。東京も良いけれど京都も良いね…。
『はい、片付け終わり!私も帰ろー』
荷物を持って医務室の電気を忘れずに消して。
今日は悟が居ない日。この後、京都の女子生徒に買い物に付き合ってくれないか?と誘ってる。声を掛けたのは三輪。それを聞きつけ、真依や西宮と人数が増えて……買い物に付き合って貰うつもりがちょっと賑やかな人数になっちゃった。
これから行く買い物中に緊急の電話が無ければ良いけれど。心の中で怪我人が出ませんようにと祈りながら医務室のドアを出た。
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「……ハルカちゃんパンケーキどれだけ好きなの?」
部屋に滞在中分の買い込んだ荷物を、借りた高専の車にドカドカと積んでいれば、そりゃあ突っ込みたくもなるようで。悟がこれから来る回数分の3つを買っていれば、悟の食について知らない人から見たら残り少ない日数でめっちゃパンケーキ食う人に認定されるわけだ。
車に荷物を全て乗せ終わってバックドアを閉める。憂鬱とかじゃなく買い物でちょっと疲れてふう、とため息もつきたくなりまして。
『私じゃないですよ、一日置きにやってくる人用のパンケーキで。私はついでに食べてるってだけ……』
ほら、別々の用意するのは面倒くさいし。なら一緒に同じものを食べた方が効率的。まあ、飽きるけどっ!朝はあまーいものよりもちょっとしょっぱい方が良い。
そんな事をぼそっと言った時には「アルコールのせいじゃね?」と言われたっけ。いやこれは嗜好だな、アルコール関係なく。
同行した皆がそれぞれに買った物を抱えている(大きめなものは私がさっき閉めたバックドア内の収納スペースに入れてある)
比較的軽い荷物を持っている真依がトランクのもう見えない私の買ったものを視線で凝視してる。