第2章 視界から呪いへの鎹
2.
ホームセンターで商品を補充していく。
今日は文具の曜日だからやたらと細かい物が多い。目で商品で判断して補充すればよく似た違う商品が入ってたりするからバーコード…JANコードの下3桁を見てある程度纏めては補充していった。
私は転職を何度もしている。そして今はこのホームセンターに勤めていた。
大型付箋を什器に吊り下げながら、今の自分に少し呆れていた。
……本当は社員で都内で就職していた。
けれど、過度な疲労の蓄積や体調不良が多く辞めざる負えなくなった。
そして次を見付けては勤め、また体調不良で辞めてまた次を探す。いつの間にか正社員はアルバイトに変わって、時間を短くするようになっていた。
まあ、これも楽しいけれどね、と油性マジックのJANコードを確認して什器にぶら下げていった。
──私も、このすぐに疲れたり体調悪くならない状況だったら規則的な職に就けていただろうなぁ。
…あんなふわふわとした人でも教師、か。
コンテナを畳んで、次のコンテナに移る。ペット用品の中に文具が入ってる。でもノート類だから楽かな……、
手にとって、種類毎に纏めてしゃがむ。そして下の段の棚へと補充していく。
私の視界に、突っ込む私の手の他に他人の手がノートを補充している。従業員じゃないのは分かった、制服じゃないし。
黒い袖、何となく予感がして私は振り返った。
「ヤッホー、ハルカちゃん。キミここに勤めてたんだねー」
どうしてここに居るんだろう、と疑問に思う。平日だし、昼間だし……。
きっと私は不満を顔に出しているんだと思う。悟は私の隣でにこにこしながら、私の斜め後ろにしゃがんでいた。
『……その、何かご用で?』
「うん?そうだね、キミ今日何時上がり?」
周りを見る。他のスタッフは居ない。店内では歌のないBGMが流れていて、時間も時間だから人の気配も少ない。
仕方ないな、とため息を吐いて悟の返事をした。
『16時には…って聞いてどうするの?昨日から一体私に何を……あっ、私は別にアイドルだとかモデルだとか、変なすけべな映像に出るつもりはないから』
「いや、僕は変なスカウトのつもりじゃないよ?ただちょっとだけ気になってね、色々聞きたいんだよ。だからキミがお勤めを終えた後についでに食事でもどうかなーって」