第2章 視界から呪いへの鎹
『なんか変な人のアドバイス受けてメッシュにしたの』
「変な人?」
『ナンパというかなんというか。都心、おっかないね』
「だから都心はおっかねえって言ってるだろ?出かける時はとうちゃんも連れてけ、若い時ブイブイ言わせた拳をナンパ野郎にぶちこんでやるからなっ!」
『もしもの時は父ちゃん直伝の拳を出すから、着いてこなくて良いよ……』
母が亡くなって間もない時はしばらく落ち込んでいた父だけれど、かなり立ち直ってきている。母の話を出しても落ち込まなくなった。
ちなみに若い頃は荒れた学校のボスをしていたとか。
そんな父に今日出会った、五条悟についてを話してしまったら……うん。名前は出さないでおこう。
私はひとり頷いて、日本茶で夕飯を締めくくった。