第22章 キミは蜘蛛の巣に掛かった蝶
「ふぁ~…っ、せっかく起きたけどもっとだらだらしようかなー?」
『はあ?起き損だよ、てかサボる気だこの人。ちゃんと出勤しろー、無理なら京都に通わなくて良いんだから』
ただでさえ忙しいのに睡眠時間削っちゃえば疲れも取れないでしょうに。
疲れは見せない…まるで体の不調を表に出さない動物みたいにずっとにこにこ笑ってる目の前の彼は、私を引き寄せて胸へと抱きしめる。トクン、トクンと心地よいリズムがもう一度眠りに誘ってくるようで。
「……ハルカ、」
肺で響いてる悟の声。鼓動と体温で落ち着いて私はぴったりとくっついたまま。
『んー…なぁに…』
「今日もオマエは可愛いね?……えっち、しよ?」
……はあ?
まどろむ所で一気に覚醒する頭。えっ、なに朝からするの?昨日も朝しなかったっけ?数時間前にもハッスルしてましたが?
見上げると少し欲情気味ににぃ…、と笑ってる彼が引き寄せる体を少し、強く抱きしめてる。その時にゴリ、と当たるものがあった。僅かな睡眠中に休んだのか、朝から元気な悟の悟ジュニア。服越しに硬くなってるからいつでも始められます、と私に問いかけてる。
『ちょっとどんだけすんの…?繁殖期のうさぎか?』
十代の性欲がパナいとは聞くけど、悟はもうすぐで三十にいく年齢。多少あっても落ち着いても良いのでは。個人差、ではカバーしきれないレベルにいくら彼よりも五つ下といっても受け入れきれない。
悟はくねらせるように腰をゆっくりと動かし、硬いものを私の腹部にゴリゴリと当ててる。悟ジュニア、ゴリゴリ君。
「僕も元気だけれど悟クンも超元気なの。朝勃ち収まんないし、どうせ手でシコシコ抜くならハルカとえっちして互いに気持ち良くなって良い朝迎えない?」
『……休みじゃねえんだぞ?疲れるんだけど…』
「朝の運動は体に良いんだよ?ねっ、お願い。朝えっちしよ、ハルカ」
甘い声で「ねえ?」と誘う悟。
少し迷って、でも答えは既に私の中にあって。完全に断りきれない。その色っぽい視線と甘い声に内側から溶かされている感覚。青いその目をじっと見つめて小さく頷けば、嬉しそうに笑って手探りでゴムに手を伸ばして摘んでる悟。
「ありがと!……今日も愛してるよ、ハルカ」
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