第22章 キミは蜘蛛の巣に掛かった蝶
「ハルカ。僕から下から突き上げられる事、期待してる?僕が欲しい?」
『んっ、さとるの、欲しい…っ、来て、中…、挿れて…っ』
きゅう、と体の奥底から欲しがってる。どうして。昨日の夜も、今日の朝もしたのに、どうして。私の身体が毎日、一日前の記憶をリセットしたみたいに、中毒のように悟を欲しがってる。
ククッ、と喉で笑った悟は刺激を与える動作を全て止め、身を起こす。視線は私の下半身にいってた。
じっと見て彼は笑う。それがどういう意味を持ってるのか知ってる。
「可愛いおねだり、イイね。……ハルカのアソコ、超濡れて誘ってる。淫乱だね?ハルカ。このえっちな素質を見せちゃうのは僕で最初で最後だね、淫乱な猫ちゃん」
『淫乱じゃ、ないし……』
男と女の性が交わる事を知って、そこから快楽に溺れてるわけじゃない。そんなわけがない。確かに気持ち良いけれど、淫乱って言われるほどじゃないはず。視線を意地悪そうな表情の悟から反らすと、私物の全然ないこの部屋が天井のライトに照らされていた。
セックスは嫌いじゃない。きっとこれは悟が上手だから…、足りないものを埋めるような合体。身体を重ねて痛みもなく、また物足りなさも無く、丁度よい…むしろそれ以上に満たされるこの行為が好きなんであって。
好き、とか愛してるって…たくさん、お互いの名前を呼び合って心から満たされてるからで…、と淫乱だと言った彼に否定する言葉を探していれば、クスクス笑いながら脚を割った中心部に手を這わす悟。
くぷ、と静かな部屋で音を立て、肌の上を逃げていくような滑りを得た動き。くちゅっ、つぷ、といやらしい音を連続的に立てて指先が外部から内部へと少しずつ出入りを始めてた。
『ゆっ、指……っ、』
「ん?そうだよ、指挿れてんの。すっげえ欲張りだね、僕の指をぎゅっと吸い付いて、絡んで…オマエの柔らかいナカが指よりもぶっとい、僕のちんこ欲しがってる……、」
ちゅぷっ、と引き抜かれた指先には架け橋のような透明な糸。それを舌を出してれろ、と目の前でわざわざ悟は舐める。
「濡れすぎて溢れちゃってるね。充分に入れるにしたからねー…僕も我慢出来ないから、入らせて貰うね…っ!」
『ん……いいよ、来て悟』
片手でひとつゴムを手にした悟が笑う。