• テキストサイズ

【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第22章 キミは蜘蛛の巣に掛かった蝶


するとここからは見えない玄関の方からにゅっ、と上半身を物陰から出す目元と上下の服が黒の悟。ちょっとだけびっくりして心臓が跳ねる。
思わず座ってた腰を勢いよく上げた。

「来ちゃった☆」
『うわっ、悟!?もう来たの?早くも一日置きっていうカウンターを回してく感じ?』

ひょっとこのお面のようににゅっ、と口を尖らせながら、室内へと入ってくる。ガサガサ音を立てて。なんかお土産を買ったんでしょ、それにしては甘くない…なんかどっかで嗅いだ香りするんだれどね。

「今日はノーカンですう。朝オマエ達を駅まで送ってるしね。部屋の場所を把握するのと、今日上層部のジジイ共に食らったストレス緩和のハルカチャージをする為に来てんの。明日は明日で来るよー」
『ハルカチャージ……電子マネーかなんかかな…?』

Suicaとかペイペイか、私は?
悟はぐるりと部屋の中を見回し、ふーん、へー、と言葉を漏らしてがさ、と音を立てて机に持ってきていた袋を置いた。
ベッドにゆっくりと腰を下ろす私の隣に、ギシッと軋ませて座る悟。にこ、と優しく口元が緩められている。

「ご飯まだでしょ?僕、任務に横浜行っててさー、崎陽軒のお弁当買ってきたんだけれど一緒に食べよっか!露天でごま団子も買ってきたよー!」

有無を言わさずに買ってきたって事か。とはいえ、断るつもりもなくむしろありがたくて。誰かしら誘って外に食べに連れて行くか、簡単過ぎる持ち込みの食べ物で済ますつもりだったから。
うん!と悟の誘いに元気よく頷いた。

『食べるー!シュウマイ、好きー!』
「ははっ、喜んで頂けて光栄かな。ジェットのやつじゃなくてごめんねー、普通のシュウマイ弁当なんだけど」

机に置かれた、底面が角ばってる形をキープしてるビニール袋を指差しながら、ウインクをする悟。
ふすっ、と私は鼻で笑った。

『……ジェットは新幹線でやるやつでしょ、ごろーちゃんが』
「密室でジェットは匂いが充満するもんねえ。かく言う僕もやってみたけど、周りのざわつきは凄いよ?視線が刺さること刺さること!」
『やってるんかいっ!スメル・テロリストじゃん!もー、人に迷惑掛かることは気を付けなよー』

勇気があるなあ、変な所が勇者かよ、とベッドから立ち上がると悟も共に着いてきて。
だいたいいつもの夕食を摂る時刻。一緒に食べて少しだけだらだらと夜を悟と過ごした。
/ 2273ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp