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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第22章 キミは蜘蛛の巣に掛かった蝶


教室前にやってきてドア前に立つ。
教室中ではハルカが高専に来る少し前にあった、悠仁達三人が参加した交流会の話をしていて、彼女は相槌をしてる。時々質問したりして。京都の生徒と関わったのって、リベルタ関係とパーティーの時くらいだもんねえ…。
ドアに手を伸ばしたまま、可愛い生徒達が話し込む時間をもう少し続けさせる。流石は僕だよね、こんな気遣いが出来るなんて教師の鑑なんじゃない?

記憶に強く残った一面を悠仁が再現するようにモノマネをして、笑い声が聴こえる。楽しそうだよなー…って思いながら、僕の笑みは消えていく。それは僕にはちょっとした不安があったから。

彼女が京都に行くからって……。その事で何もハルカに疑いがあるわけじゃない。僕みたいないい男を捕まえておいて浮気なんてしない子だって信じてるし。生徒たちでのラブロマンスなんて論外でしょ……。ハルカは僕だけを愛してるって、愛されてる僕自身がはっきりと理解してる。彼女は僕以外をきっと本気で愛する事はない。それは同じく僕も。しっかりと互いに呪い合ってる中だもん。
ただ、今の状態のような僕の目の届く範囲ではなく、明日からの見えにくくなる所での活動だからこそ余計な力が入っちゃっていつも以上に無理をしちゃうんじゃないかって事が心配だった。
ハルカは非術者として生きてる時から見ていてとてもがんばりやさんだから。呪術師に綺麗な心のヤツなんてそうそう居ない。僕だって性格悪いのだって理解してる。彼女もこの世界でやっていけるようにそれなりに悪い所はある、すぐ怒るし技掛けてくるしマジヤンキー一家のハイブリット。
けれどその頑張り屋さんな一面は人として誇れる所であり、それでいて呪いと戦うこの世界には命取りで不安にもなる。
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