第21章 僕の初恋をキミに教えてあげる
私が悟の口内に舌を入れ、口内をまさぐれば始めこそやんわりとした抵抗だったのが、段々と力強く絡めて仕返しするように私の口内へと入ってくるようになって。不慣れで、ちょっと震えてるような……きっとこういうのは初めてだったのかもしれないって思ったら、少しだけ優越感に浸れた。いつも私が彼にキスで負けていたから。
少し血混じりのキスはどんどん激しくなって、くちゅ、ちゅくっ…と、唾液が混じり合う音を立てていき悟が調子に乗っていく。
学習能力があってこその天才。負けっぱなしじゃなくてやり方を学んで臨機応変にしてる彼はすぐに大人の悟と変わらないキスを始めた。
『む、…ぅ』
「ん、」
じりじりと追い詰めるようなキスにたじろいで、半歩、また半歩と獣のような悟から逃れようと後退りして。腕を回してた手を退け、がっついてる悟の胸元に両手をやろうにも、まず背にどっ、と硬い平らな物を感じた。塀に打つかって逃げ場が無い。
勝っていたと思ったら負けは確定してる。形勢逆転、見開く目の先で唇を離した先の彼が笑う。
「……っは、俺から逃げようと、してんじゃねえよ?オマエから始めたんだからな?」
にやり、と笑う口から架け橋のように光る糸。
押してた手を片手ずつ悟は掴み、塀に押し付ける。ひんやりとした硬質な塀が気持ちよくも押さえつけられて痛くもあって、やや乱暴な大きな手が燃えるように熱く感じて変に心臓が騒がしくなってきた。任務は真面目に済ませたいのに…っ!
そして…。
『んぅ、んっ…ン~~っ!』
もっととせがむ様に塀に押さえつけて激しい口付けを繰り返してる。
こんなのをずっと続けられたらあっという間にタイムリミットが来る…!5分とか短時間にしなくて良かった……そして術を掛けて母がすぐに帰ってくれて良かった…。
何度も角度を変え、唾液を吸われ、舌を絡めていくキスをしばらく押さえつけられながら抵抗も薄れていき、私はこの悟を受け入れた。