第21章 僕の初恋をキミに教えてあげる
ずっと肘を立ててるのも、小石で肘が痛いし。むくりと体を起こすと、慌てた様に背に手を当てられた。思わずその悟の顔を見るとちょっと慌ててる表情で。
「おい、オマエあんま無理すんなって!倒れてたんならもうちょっと休んでた方が良いんじゃねえのかよ!?」
体を起こし、背に手を当てられた状態で心配そうな悟の顔を見る。なんだかんだで優しいんだなあ。ちょっとキスされそうなくらいに顔が近いけど。
丸いサングラスから零れて見える裸眼。良く見つめ合った青は変わらずに綺麗で至近距離で見つめ合った。時間にして数秒程度だろうけれど。どれだけ見てもこの青は澄んだ空のようでいつまでも見ていられそうで…。
じっと見ていればじわじわとサングラスの下の頬が赤くなってくる悟。私に触れてた手ごと、しゃがんでた悟自身が数歩分吹っ飛ぶようにザザザザーッ、と後退りした。
「いや近えよ!」
『いやそっちが近付いた…』
「うっせ!つか、ぶっ倒れるようなヤツがすぐに動くんじゃねえっての!」
『もう治った。それに呪物探さなきゃ、』
「もう治ったぁ?……オマエの側にあるソレだろっ!呪物!」
真っ赤になって少し離れた場所から怒鳴るようにして指差した彼の方向を見る。悟がさっきしゃがんでた側にはあのポラロイドカメラがあった。
おお、これ。これだ!すかさず手に取り、壊れてないかすぐに確認した。まだ新しい方だけれど、この年代でもレトロな部類みたいで充分に古さは感じる。
指先で色々弄ってみればちゃんと悟がいじってたみたいな操作も出来るし!念のためにくりくりと元の時間軸へと弄っておこう。
弄って動作確認を終えた私は直ぐ側の彼を見る、「ん?」と零す言葉と少しばかり眉を下げた表情。
『ありがとー!これ、超探してたっ!』
立ち上がり、遠ざかった数歩分私に近付くとしゃがむ悟。ふふん、と自信ありげな笑みを零して。
「……一階の超簡単な場所にあったし。だからもう、オマエは無駄な事しなくて良いんだよ」