• テキストサイズ

【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第3章 呪術を使いこなす事


19.

朝。寮に備え付けのベッドで目が覚めると隣にはいつか見た光景(※昨日の朝ぶり)がございました。
天井向いて寝ていたのが、寝相で横向きになっていた私の目の前に、何故か悟の顔。ただ、昨日の朝と違う所は眠っている、という事と私が動けないという事。体に片腕が引き寄せられるように乗せられ、足元は絡まれている。道理でなんだか良い匂いするのと温かいわけだ、ぬくぬくしてる。いつから居たのか分からないんだけれど。
自分が怖くなった。なんでこんなになってるのに気が付かずに爆睡してたんだろう、流石に気がつくでしょ?昨日、色々ありすぎて疲れてたのかなぁ、頭の情報記憶処理に全部行っちゃってたんだろうか……ここまで悟をフリーダムにさせるのはちょっと女として、貞操の危機をも感じる。

「………」

すぅ……すぅ……。
悟の規則的な寝息が聞こえる。カーテンから透けている明かりが白い髪も、肌も、睫毛も照らして芸術作品みたいだ。その作品があるべきは隣の部屋だってのにここにある疑問よ。
起こさずに見ていると、意外とこの人……可愛いんではないのか?と思えてきて、私を抱き枕のようにして眠る顔を観察した。

けれど朝イチでお腹が減っている。昨日買った朝食用の菓子パンと、いちご牛乳でお腹を満たしたいんだけれど動けないんだよなぁー……。自分の部屋で眠らずに、隣人である異性(私)の隣で惰眠を貪る、目の前の幸せそうな男を眺めた。

『……うーん…、』

すり抜けられないかな、と身を捩る。
寝間着として着ていたTシャツが、手に引っかかってるというか掴んでるみたいでちょっと捲れた。
下はハーフパンツ。夏場だったら家だとキャミソールと下着レベルだった所だ、良かったー…ここではちゃんと着てて。

上はシャツが腹まで捲れる、下は足が絡まってる。積んだ。
もぞ、と動きを見せ、白いバサバサの睫毛が開くと青い双眼が見える。

「やあ、おはよ……」

『おはよ……の前に、ひとつ良い?』

「んー?キミからおはよーのチューでもしてくれるのかな?」

気だるさそうな、寝ぼけた目元が色っぽくてドキドキしてきた。まともに意識しちゃ駄目だ、自分!
私は隣の部屋側の壁に視線そうつし、もう一度悟に戻した。
/ 2273ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp