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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第21章 僕の初恋をキミに教えてあげる


"母さん、昔キス魔って呼ばれた時があったんだけれど不都合な事が起こった時にそいつの記憶を消してたからねー。でもビッチ呼ばわりは腹が立ったよ、そういう関係はしてないのにね?"とそこは言葉に出さずに私にだけ聞かせる。どんなヤンチャをやっていたのやら…。とちょっと苦笑いが出ちゃった。

……つまりは、悟に記憶を消した…いや、隠されてるなにかがあるって事。悟の身体に血が混じってるって事。母の血ではなく、私の血が混じってる。やったはずのない術が既に掛けられていて封じ込められたままという、未知の現象が起こっていたって事。
伏せていた視線を悟へ。彼を見上げた。

『その悟の記憶、母さんも私も悟も誰も知らないのに隠すように忘却の術を掛けられてるっておかしくない?』

問題なのが今発覚したことで選択する事態になったって事。私の血を使っていても解呪の方法を私が使えないから、丁度私の中にプロが居るのだし。
閉ざされた記憶を思い出すか、そのままか。なにが隠されているのか分からない。悪いことであればそのまま忘れたままが良い。私としてはなんだか怖くてそのままの方が良いんじゃないかって考えてる。経緯が不明すぎて、これはよく考えた方が良いんだって。
見上げた悟はフッ、と笑った。

「僕はその不思議な記憶を取り戻したいな。なんだか福袋みたいでわくわくしない?何が出るかな?何がでるかな?って。本日の当たり目きたらどうしよう?花王のグッズ貰えちゃうね?」
『ねえよ本日の当たり目。わくわくとかするか?フツー。不安になったり怖いって思うじゃん。どうすんの?悟がさ、例えば浮気してた記憶だったりしたら?』

私が無意識にするんだったら多分その辺りだって自分で良く知ってる。その例えを出しても悟は揺らぐことは無かった。

「それはない、絶対ない。僕はハルカ一筋だもん、だからきっと封じ込めた記憶は浮気以外だねー」

"愛されてるね"と私の中の母が言う。悟に聞かれてないのが救い、確かに彼に異常なくらいに愛されているって自覚してる。
悟は私の手を握った。

「ハルカ、そして降ろされてるハルカのお母さん。僕の封じ込められてる記憶を取り戻したいんだけれど解呪を頼んでも良いかな?完全な記憶で僕は思い出したいんだけど……」
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