第20章 星空の下で愛を語らう
頑張って焼いては食べてを繰り返したけれども、一部の食材はシルエットクイズにしてしまった。
ご飯を取り分けてからは「焼き肉といったら白いご飯だね」と外でのご飯に感激しながら焼き肉が進む。箸も止まらん、お酒も止まらん。三本目に差し掛かろうとした所で強制的に取り上げられてしまったけれど(こいつはお持ち帰りだな…また後で、レモンサワー)
ふたりしかいないのに静かな公園でわいわいと食べて、飲んで…最後にマシュマロを焼いてはチョコの掛かった薄焼きビスケットに挟んで食べて。焼き肉のアウトドアフルコースを堪能し、用意した食材は明日の朝食分を残してなんとか消費はしたけれど、予想以上にたくさん食べてしまった。
ゆっくりと片付けをして、ぱちぱち爆ぜる音を聞きながら椅子に座って寛ぐ。そろそろ薪を焚べたい所だけれど、悟に「車で離れるから落ち着かせていこう」と止められた。そういえば温泉だとか行ってたっけ。
焚き木の爆ぜる音をBGMに色んな話をしながら、あの沖縄でのお土産の話をしてる。めちゃくちゃ駄々をこねてステッカーでようやく手を打ったあの件の話。
「──それでさー、恵の部屋の扉に沖縄で買ったステッカーを見られないように黙って貼ったのに速攻僕だってバレたの!」
『悟はシールを与えたらとりあえず貼りまくろうって思考の幼児だったの??』
貼らずに渡してその部屋の伏黒が貼るなら分かるけど貼って差し上げる、は無いでしょうに。どこかのコラムで幼児にシールを与えるともくもくと物に貼り続けるっていうの見たな…と黙って貼って怒られたであろう、28歳児を見る。この人は不服そうに眉をひそめてらっしゃる…。
「幼児はあそこに毛が生えてないでしょー?勃つのも出すの…子種の方ね?も出せないし……。あっ逆コナンって言うの禁止ね!」
『思考読まないで下さる?変態』
人も呪いも居なくて、寂しい公園でありながらふたりしか居ないのに賑やかで……楽しくて。
以前、沖縄での夜に全てから逃げ出してふたりきりでって話をこのタイミングで思い出した。そんな選択をしないと思うけれど、その選択をしたならば、きっとこんな風に毎日静かな中でふたりきり、騒がしいんだろうなって思う。