• テキストサイズ

【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第20章 星空の下で愛を語らう


夜も暗さを増していって、薪を足さない状況から段々と火も小さくなっていく。明かりをランタンに頼るようになってくると、私も騒がしい悟の話すお題も少しずつ減って沈黙が多くなってきた。
私達の声で隠れていたのか、それとも静かだから幅を効かせてるのか。虫の鳴き声が大きく聴こえるようになってきた。

「秋ですねえ~…」
『うん、秋だね…』

タープよりももっと上の空を見上げれば星がはっきりと見える。高専も周りが民家とか無いからはっきりと星々が見えるけれど。
じっと夜空を見上げていたら、アームレストに置いた手の甲に重なる、大きくて暖かい悟の手。遥か彼方の景色から直ぐ側の悟を見ると優しく彼は笑う。夜空に負けないくらいの空の瞳がこちらを覗き込んでいた。

『うん?どうしたの…?』
「そろそろ車に乗ってちょっと離れた所でお風呂入ってこようよ、面倒くさいから寝支度全部済ませてさ、テントに戻って…。
……僕の言いたいこと、分かるよね?」

日帰り温泉の入れる時間が少し遅くまでやっている場所。そこまでは車で行く。
そこで全てを済ませて戻ったら……。

『……ん、分かった。行こうか……って、』

はっ、と思い出すのは自分が食事の際に飲んだもの。
申し訳ないや、と椅子に凭れた体を起こし、私の手に重ねたれた悟の手に挟むように手を重ねた。

『お酒飲んじゃってた、私。運転~…宜しくお願いします……夜だから気をつけてね?』

自信満々な笑みを浮かべた悟は、「任せなさい!」と元気に言葉を返し、火の処理を始め…キャンプ地から出掛ける用意を私達は進めた。
/ 2273ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp