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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第20章 星空の下で愛を語らう


普段程度って言ってもその普段が悟がべったりくっついてるからこれ以上過激にはならないとは思うけれど。
ハンマーをポイ、とタープの袋付近に投げた悟はタープ用の骨組みを組み立てる私の背に早速貼り付く。コアラか?

『悟、邪魔、作業進まない』
「僕を構わないからだよ?……ちょっとハルカが足りないから……ごめん、補給させて。運転中は触れなかったしねー…」

背後から腹部に回された手。左肩で深呼吸する悟。
くっ……作業効率が下がる!動きが鈍くなるんだけれど!
仕方がない、と骨組みをそっと地面に投げ、両手でわしわしと左肩に乗せられた頭を撫でた。手の届く場所はさらさらとした髪。『よーしよしよし』と大きな犬を構うようにわしわしと撫でる。

「ファー…もっと……もっとなでなでして……」
『……壊れたファービーみたいな事になってんな……』

ふふっ、と笑いつつも引き続き撫でた。慣れない…いや、久しぶりの運転もあっただろうし悟も疲れてるでしょうしご褒美という事で。人の目もないからいつもよりもたっぷりと甘やかして撫でれば、体をぐるりと回すように回転させられる。
あっという間に対面の状態になって、見上げた先、こちらへとそっと傾く体。

『……んっ、』

かぷ、と唇をはむようにキスをして、私がさっき撫でた分を返されるように、悟からも髪を結った後頭部から手ぐしをするように撫でられて、もう片手が腰を引き寄せるように体が悟へと密着する。その背に両手を回してより密着した。私達がどれだけキスをしようとも誰にも見られていない。恥ずかしさなんてなくて広い空の下でただふたりきりの世界みたいで。
ゆっくりと離れた唇、顔が近いままに至近距離で抱き合って悟は微笑む。

「誰も見てないから、どれだけ激しいキスしたって良いよね?」
『別に良いけど、せめて設営や任務をさ、』
「分かっちゃいるけど僕、今はオマエとキスがしたいの!」

撫でてた手が押さえつけるように、悟側へと引き寄せられて口内を弄る舌。設営も任務も今はただ忘れて涼やかな風吹く中で私の思考は悟により、酸欠と混じり合う唾液でどろどろに溶かされていった。
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